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zoom RSS 「女性の活躍促進」で女性対象の事業だけやればよいのか

<<   作成日時 : 2015/05/31 12:47   >>

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 「女性の活躍促進」は女性だけを対象とする事業を推進すれば事足りるわけでもなく,また,男女対立をあおるのが目的というわけでもないので,この先どのような手を打つのかに注目しましょう。


 内閣人事局が,省庁と連携して「女子学生霞が関インターンシップ」なるものを実施するそうです。
 概要を見るに,技術系職種のグループが設けられていることに注目です。女性がもともと少ない系統では,普通に募集をかけても女性にインターンシップの機会が回ってくること自体が少ないと考えられるので,女性に特化した募集は十分に効果を上げることが予想されます。

 このインターンシップ,その名の通り,参加者を女子学生に限定しているわけで,「女性の活躍促進」の一環となるものですが,そうなると男子学生が(も)参加できるインターンシップが別に開催されない限り,今年度は男子学生が霞が関でインターンシップに参加する機会がなくなるということであります。

 ここで問題にしたい(なる)のは,これは「男子学生がインターンシップの機会を奪われたことを意味するのか」です。
 そもそも,インターンシップへの参加はその省庁に採用されるための必須条件ではないので,その機会が奪われても採用試験への影響は少なく,気にする必要がないとも言えるのですが,「実際に仕事を体験してみて見えることがあるし,採用試験に向けた準備段階での影響がある」という(ある種主観的な)考え方に対しては説得力が低いように思います。
 そう考えると,これは「男子学生がインターンシップの機会を奪われた」ように見えます。当の男子学生本人にしてみれば,なおのことその意識は強くなるのではないでしょうか。つまり「女性の活躍促進」のために自分が犠牲になっているという意識が芽生えることになります。
 ここに対するケア(あるいは啓発)が行われなければ,(特に)男子から見て“「女性の活躍促進」は女子に機会を与えるために男子の機会を制限することだ”ということになりかねないのです。

 例によって「たんぽぽのなみだ〜運営日誌」の記事(およびそれが参考にしている記事)によると,これまで機会を奪われていたのは女性の側であり,男性が下駄を履かせてもらっていたという実態の存在がうかがえます。ならば現状を見るとともに,「女性の活躍促進」が男性に制限をかけることではないという理解を進めていく必要があるのです。

 「女性の活躍促進」は女性の採用率登用率を上げることが一番の近道と考えられているのかもしれませんが,遠回りであっても重要なのは,社会で活躍する人材における女性の比率が自然に上がっていくような社会環境の整備です。
 そのためには「女子学生霞が関インターンシップ」は通過点ですらない(物事の始まりにすぎない)のであって,男子学生(を多数含むいわゆる「男性的価値観」)への啓発もセットで行われなければならないということなのです。


 こういう「女子限定」の企画には,付随物(?)として「男子限定」の「女性の活躍促進をどのように進めていくかを考えるセミナー」のようなものを同時開催し,男子学生も呼び寄せればよいでしょう。また,それぞれの参加者が意見交換できるような場も設け,「女性の活躍促進」について参加者自身に考えてもらうようにすればよいのです。(遅きに失しているのは確かなのですが,)そのような形で社会環境整備に向けた取り組みを進めていく必要があるのではないでしょうか。


余談1
 公務員では国籍の縛りがあるので,「女性の活躍」の問題のみが取り上げられやすいのですが,一般の企業となるとそれに加えて「国籍」と「言語」などの問題も出てくることになります。もちろん,官公庁でもそれを管理・監督して是正する責任を負うのですから,問題解決に際して,「外国人のみを対象にした就職セミナー」とか「英語だけで行われる就職セミナー」のような事業のみで事足りるのかどうかを考えていく必要があるでしょう。

余談2
 参考にした「たんぽぽのなみだ〜運営日誌」の記事で触れられている「2013年9月に、大阪府と大阪市の事務職員の採用試験で、合格者の8割程度が女性になることがあった」について検索してみたところ,(讀賣新聞の記事はリンク切れ)J-CASTの記事が残っていました。記事では試験形式の変更の可能性が指摘されています。それもあるかもしれませんし,たんぽぽさんの言うように「正直に成績の順に採用したから」かもしれません。
 コメント欄にはやはりというか「男女差別」を言い出す人が出てきていますね。
地方公務員は地方政府の職員であって、女に委ねるのは危険過ぎるという事実」(4)←根拠がなさすぎて意味不明。「地方政府の職員をこういうコメントをする人に委ねるのは危険過ぎるという事実」なら理解できますがね。
そもそもまともな採用してたらこんなふうになるわけないだろう。何でもかんでも民間のやることマネしてどうすんだよ。」(11)←そもそもまともな認識してたら(コメントが)こんなふうになるわけないだろう。何でもかんでもネトウヨブサヨのやることマネしてどうすんだよ。 ……冗談はともかくとして,「まともな採用」したから「こんなふうに」なったのでは? 試験がまともかどうかは調べようがないのですが,まともでないとしても,試験形式の変更と同時にまともでなくなった根拠はない訳ですからね。そもそもこの種の試験なんて,採点などがまともであると信用するほかない訳で。
倍率を計算すると男性約35倍、女性7倍とその差は5倍もあったようだ。」(12)←この人は何の倍率の差を計算したのでしょうか。能力が完全に同じ集団を比較するならわかりますが,大学卒業程度という共通項の集団を試験解答能力まで同じと規定する根拠は?
明らかに女ってだけで下駄はかせてんじゃねーか」(17)←「明らかに」とまで言ってのけるが根拠ないですよね。
公務員は男女とも人気がありますから、著しく男性が劣っているということはないはずです」(19)←男性も19人合格していますから「著しく男性が劣っているということはない」でしょう。しかし,受験した男性の能力分布が女性と同等であると言えなければ,女性の合格者が多いことに対する疑問にはなりません。あと,試験は「著しく劣っている」から不合格になるわけでもないのですよね。
女性の採用数が低かった頃は、男女平等を連呼して採用率を上げるように声高に叫んでいた団体がいたけど、逆転したら、今度は男性の採用率を上げるように声高に叫ばないのかな?」(22),「男女平等なら男性合格者も半数にすべき」(30)←典型的な反論になっていない反論。結果平等を言い出しているわけですが,それはこれまでが結果不平等であったことを追認しているわけです。さらに言えば,男女平等を訴える人たち(いわゆる「フェミニスト」が念頭にあるのかな)の揚げ足をとったつもりなのでしょうが,主流は機会平等の徹底ではないのですか?



参考
内閣官房:女子学生霞が関インターンシップの実施について
 http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/kasumi_internship.html

NHK NEWS WEB:政府 女子大学生限定のインターンシップ (2015年6月7日以降リンク切れ)
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150531/k10010097931000.html

たんぽぽのなみだ〜運営日誌:女子は優秀でも採らない
 http://taraxacum.seesaa.net/article/416247103.html

J-CASTニュース:大阪府・市の行政職採用、合格者の7〜8割が女性 「人物重視」試験が理由?
 http://www.j-cast.com/2013/09/23184288.html

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。
わたしのつたないエントリをご紹介くださり、
ありがとうございます。

読売のリンク切れの記事は紙面版が手に入ったので、
ご紹介しておきます。
https://flic.kr/p/ukURNQ


「反フェミ」の人たちは、ポジティブアクションが話題になると、
「無能な女子に下駄を履かせるべきでない」という
主張を展開するのが定番ですね。

ところが下駄を履いているのはじつは男だとわかると、
きゅうにだまりこみますね。
そうでなければ、男が下駄を履かされることを、
ひたすら正当化しようとする。

そんなに能力主義が大事なら、
「無能な男子に下駄を履かせるべきでない」と
いさぎよく主張してほしいものです。
たんぽぽ
2015/06/28 16:24
たんぽぽ様
 コメントとリンクの紹介ありがとうございます。
 男性は下駄を履くのに慣れきっていて、下駄が履かされていない状態を「不平等」ととらえているのかも知れませんね(自戒も込めて)。
Eric Prost
2015/09/05 18:40

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