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zoom RSS 無知は中立でも無罪でもない場合がある

<<   作成日時 : 2015/01/10 15:35   >>

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 たむけんの「言うただけ」は「単に」ということなのでしょうが,その「単に」は「純粹pure」「無邪気innocent」ではなく「単純naive」と言うべきものでしょう。


 芸人のたむらけんじ氏が1月6日のTweetで「大阪都構想に関する住民投票が行われそうだから勉強会をする」という意味の発言をして,その後反対派から猛攻撃を受けたとしているようです。
 たむら氏自身は自分を「賛成でも何でもない」としているようですが,Twitterに挙げられた発言は果たしてどのような態度として読まれる可能性があるかという事を考える必要があるでしょう。


 まずこの住民投票,対象となる住民は「大阪市民」であり,「大阪市以外在住の大阪府民」は大阪都構想に賛成でも反対でも無関心でも,投票することができません。
 「大阪都」という現在の大阪府民全体が影響を受ける構想にもかかわらず,大阪市以外の大阪府民は,大阪都構想からそもそものレベルで排除されているようなものであります。

 たむら氏は1月6日付で以下のようなTweetを出しています。
おはようございます。
5月17日に大阪都構想の是非を問う住民投票が実施されるかも。こんなん初めてやからワクワクする反面、僕達もしっかり都構想について勉強して、考えて、悩んで投票せなあきませんね。教えてもらう事も大事やけどまずは知ろうとする事からやってみようっと!
大阪好きやねん!

 これを読んで,私の第一印象は「何とnaiveな物言いか」でした。

 それに続けてこのようなTweetが来ます。
5月までに何回か『大阪都構想をおもしろ楽しく、そして凄く真面目に知ろうLIVE』をやろうと決めました。講師に橋下さんとか、都構想に反対の人とかにも来てもらってみんなで勉強する会やってみます!
大阪の皆さん、やりましょう!

 大阪市以外の大阪府民は住民投票に参加できないのですから,たむら氏の中にある「大阪の皆さん」には大阪市の人しか入ってないのではないかと感じます。
 この段階で,私にはたむら氏が「突然おまつり騒ぎを始めた」ように見えていますし,(大阪都制が実施されれば何かと影響を受けるはずなのに住民投票で投票することすらできない)大阪市以外の大阪府民に対する配慮がないようにも見えるのですが,たむら氏にその自覚はあるのでしょうかね。


 加えて,たむら氏自身は本当に本人が「僕は大阪都構想をみんなで勉強しようとゆうただけで、賛成でも何でもない」と言うように「中立neutral」なのか,つまりたむら氏のTweetが文面だけでneutralと判断できるのかも問題になるのです。
 たむら氏は,1月8日にTwitter上で「たむけんはこの3年大阪都構想について無知なままだったということか。」と問いかけられ,
はい!胸を張って詳しいですとは到底言えないくらいの知識しかありません。なので5月までに頑張って勉強しようと思ってます。

と返答しています。

 この場合「大阪都構想」の中身もさることながら,この構想が住民投票に向けて動き出すまでの経緯も見た方が良いのです。ところがたむら氏は,1月7日にTwitter上のコメントで「公明党 の裏切りやらもきちんと取り上げてくださいね 期待しています」と言われて以下のようなコメントを返しています。
公明党の裏切りとかもうええでしょ?それよりも前向きな事を勉強しましょうよ。もし間違ったことをしてる人達がいるのなら、その人達は必ず落ちていきますから。

 もしたむら氏が自らをneutralと考えるのならば,いわゆる「公明党の裏切り」からも逃げるべきではないでしょう。これが住民投票に向けて勢いを付けることになったのであり,その経緯が分かって初めて「なぜこの時期に住民投票が行われそうになる運びとなったのか」への理解につながります。それを排除して勉強会をする意図とは一体何なのでしょうか。
 住民投票が行われるのは「前向きな事」で,それにつながる「公明党の裏切り」を取り上げることは「もうええ」(後ろ向き)であるというのなら,これはすでにたむら氏の政治的姿勢がneutralではないことを示すのです。

 大阪都構想反対派からしてみれば,昨年の大阪市長選もこの問題が契機になっているのにその時はだんまりで,今になって『大阪都構想をおもしろ楽しく、そして凄く真面目に知ろうLIVE』というのは,「大阪都構想実現に積極的である」というメッセージを読み取る可能性を十分に含むものでありましょう。
 また,ここに来てようやく「大阪都構想を知ろう」とするのは,「大阪都構想」を「すでにあるもの」として扱っているという視点でもあります。昨年の大阪市長選の1つのテーマでもあった「大阪都構想」に関して,その是非そのものを今さらになって問うという勉強会が存在し得るのかという疑問を持たれるのも無理はないことです。今になって言う「大阪都構想とはどのようなものかを知る」というのは決してneutralな決意の表れではなく,「大阪都構想を既存のものとしてその内容について知る」ということでしかありません。そしてこの考え方は,大阪都構想が存在することそのものの是非については「是」という答えを出していることにもなります。それゆえ,都構想推進の発言であるととらえる人が出てくるのも理解できます。
 さらに「講師に橋下さんとか、都構想に反対の人とかにも来てもらって」という記述を見れば,賛成派の橋下の名前は挙げているのに,反対派は「都構想に反対の人とか」というまるで余り物扱い(誰が反対しているのかが知識にない)とも読み取れるものです。このような記述を見て,たむら氏が都構想をneutralな立場から考えていると誰もが読み取れると考えるのは,あまりにもnaiveに過ぎるでしょう。


 たむら氏のTweetを見た時に気になったことをもう1つ。このような発言もあります。
教えてもらう事も大事やけどまずは知ろうとする事からやってみようっと!
 これも,ものすごく普通のことを言っている風に見えますが,「知ろうとする事」と「教えてもらう事」との間に差を付けていることは,実は問題とされるべき態度です。
 「知る」というのは,何かから「教えてもらう」ことであります。現に「何かを知った」と言う時,必ず何かから「教えてもらう」ことによって知識が増えているのです。
 ところが,たむら氏は「知ろうとする事」と「教えてもらう事」との間には差があると認識しています。
 この場合「教えてもらう事」は「他者から知識を他者の認識のまま注入されること」で,「知ろうとする事」は「自分から知識を得ようとすること」を意味すると思われますが,「知る」という事自体が「教えてもらう事」でもあるので,このような分け方自体,「教えてもらう事」は他の人の言い分を鵜呑みにすること“でしかない”と考えていることが読み取れます。
 たむら氏の言い方は「教えてもらう事」は「知ろうとする事」よりも価値が低いという感じを受けるものであり,斜め上から見れば「オピニオンリーダーの意見を聞かないこと」を奨励し,自分で調べることはオピニオンリーダーの意見よりも価値の高いものと考えているというとらえ方すらできるものであるため,少し配慮に欠ける面が見られます。


 日刊ゲンダイが「さっそく反対派から攻撃を受け」とした根拠は次のTweetでしょう。
面白いよね。僕は大阪都構想をみんなで勉強しようとゆうただけで、賛成でも何でもないのに、凄い自分が無知やから勉強しようってゆうただけで、都構想反対の人が凄い躍起になって攻めてくる。なんか怖い。これだけを見たらどっちが正しいのかがわからんでもやな。まっ、こんな事では決めんけどね。

 このTweetを見て,私はたむら氏が「すでに回答を決めている」可能性すらあると思っています。本当に「まっ、こんな事では決めんけどね。」と思っているのならば,わざわざ言わなくてもよいでしょうに。それとも政治的問題に首を突っ込むということの意味を本当に分かってないのでしょうか。

 たむら氏は「都構想反対の人が凄い躍起になって攻めてくる。なんか怖い。」と言っていますが,これも非常にnaiveな考え方でしょう。自分の発言について省みることなく,「怖い」という感情論で済ませてしまっているわけで,自分の発言は何の政治色もない純粹なものだという根拠のない確信がどこかにあるのかとすら思わせてくれます。
 もしこれが『大阪都構想“の問題点”をおもしろ楽しく、そして凄く真面目に知ろうLIVE』になっていたとしたら,「大阪都構想には問題点があるという事を前提に物事を考えようとしている」ととらえられる可能性も出てきます。この場合でもneutralだととらえることができるでしょうか。言葉を付け加えることが中立色を薄めることはよく理解されていますが,言葉を入れないことや言葉を省略することも中立色を薄める要素であることに注意が必要でしょう。


 私から見れば,たむら氏は自分の影響力に気が付いていないかそのふりをしていると思われます。たむら氏は自分が「みんなで勉強しよう」と言って勉強会を開催すれば,その輪が多少なりとも広がることを念頭に置いて言っているわけであり,その時点ですでに自分には影響力があることを自認していることになるのです。しかし,その発言が文字としてメディアに乗ったときに,どのような影響を及ぼすかということについてはまったく考えが及んでいないのです。
 先にも述べたように,たむら氏のTweetは大阪都構想を「すでにあるもの」(前提条件)としていることから,大阪都構想反対派から「都構想を推進する意図があるのではないか」ととらえられるに足ると思います。


 もしたむら氏が単に都構想に対して「凄い自分が無知や」からこのような発言をして,都構想反対派から「今さら何を」的な反発を受け,「公明党の裏切りとかもうええ」など明らかに「都構想が重要」的な物言いをしておきながら,それでも「賛成でも何でもない」と言い切って何ら反省する必要がないと考えるのならば,たむら氏はここまでnaiveなのかと疑わざるを得ません。
 日刊ゲンダイは「政治に関する発言をするタレントの中には、実際に選挙に出馬する者も少なくない。2013年には15年間の夫婦生活にピリオドを打ち、“自由の身”となったたむけん。飲食業界の次は政界に進出か?」などと言っていますが,無責任な発言は程々にしていただきたい。


 
参考
たむらけんじのTwitter
 https://twitter.com/tamukenchaaaaa/

日刊ゲンダイ:「大阪都構想」発言で炎上 たむらけんじ“政界進出”の本気度
 http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/156295

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