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zoom RSS 被害者に「セカンドパワハラ」をお見舞いする首長2名

<<   作成日時 : 2014/10/30 23:41   >>

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 「パワハラを受けた」と申告した人に対してパワハラをお見舞いする大阪の首長2名は,パワハラが何たるかを理解していないらしい。現在の大阪は「パワハラのまち」として認識される危険性が非常に高いと言わざるを得ません。

 大阪府の教育委員が教育委員会の会議の場で「教育長からパワハラを受けた」と申告した問題,中原教育長は「一晩考えた」結果続投を表明しました。
 橋下大阪市長と松井大阪府知事とに相談した結果ということであれば,それは単なる予定調和,のらりくらりと批判をかわせば問題は収まると考えたのでしょう。現に橋下も松井も教育委員のほうを批判し,中原を擁護しています。

 毎日の記事には中原の「法的に問題がある発言や、パワハラ、嫌がらせは一切ないと思っている」という発言や「中原教育長は「私も(圧力の発言を)委員から受けたことがある」と反論した。」という発言に見られるように,訴えた教育委員の側がどう思っているかということや,自分がどのように発言したかということは棚に上げ,自分は問題ないという認識を示したり別の人を批判したりしているのです。
 これは教育委員の側が騒いだから問題になっただけだという認識を示したものであり,「不愉快な思いをさせたのは間違いなく、申し訳ない。威圧されるようになってしまうなら、反省したい」という謝罪とは矛盾しています。

 また,教育委員の側は具体的な発言を示している(同調している別の教育委員も「似たようなこと」としていて,大体同じようなものであると推測できる)のに対して,中原は「圧力の発言」と言っただけであり,中原にどのような発言が為されたのかは不明で確かめようがないのです。それゆえ,中原は言ったもの勝ちの状態で,「どっちもどっち」のような印象を与えようとしているのです。

 さらに,簡単に辞任をほのめかし教育委員の心証を悪くしておいて,翌日にはこれまた簡単に辞任の意志を撤回して問題を矮小化しようとしています。加えて橋下と松井の発言を引き出して中原自身に権威付けすることに成功しています。
 問題発生後24時間程度の中原の行動によって,今回のパワハラの構造があぶり出されているように思います。一部メディアは「教育長と教育委員の間に権力関係はない」という報道をしているようですが,これは肩書きと組織図を見ただけの浅薄な議論です。
 教育委員の任命権者たる松井と松井が所属する政党の代表たる橋下と,この2人と密接に結びついている中原は,自らが意図しなくても教育委員に圧力をかけることができる構造の中に存在しているのです。また,「法的に問題がある発言や、パワハラ、嫌がらせは一切ないと思っている」という発言から,それに対する認識が欠けていることも明白です。
 「いじめをなくす」とか何とかいってみたところで,教育長自身がいじめをしていて,それを府知事と府知事の所属する政党の代表とが容認しているという状況を目の当たりにすれば,目標の達成など夢のまた夢ということが明らかになるのです。


 松井一郎は,パワハラの被害を受けたと申し出た側に「教育委員として限界を感じるなら自ら組織を出るべきだ」として辞職を勧告するような発言をしているようです。しかし,これは典型的な権力者の言です。パワハラの実態から目を背け,被害者が声を上げれば組織から追い出すことで組織には問題がないと主張しているのです。
 松井の発言は紛れもなくセカンドパワハラ(セカンドレイプのパワハラ版)と呼ぶべきものであり,松井がパワハラの根本を理解していないことを如実に示しています。
 発言の前提として松井は「組織決定する前に自由に発言するのは結構だが、決定後は組織に従うのは当然」と言ったようですが,教育委員は「これまでも自由に発言できない状況だった」と訴えているのです。口では「自由に発言するのは結構」と言っておいて,実際には自由な発言をさせていなかったとも推察されます。
 任命権者として,また府知事として,松井はまずはこの訴えに耳を傾けるべき立場にあったにもかかわらず,最初の一手でやったことと言えば,加害者とされている教育長を擁護して被害者である教育委員に圧力をかけることだったのです。
 松井は,powerを持つ府知事という地位にあるには不適格であることをまたしても示してくれました。しかし,このような府知事を存在させている大阪府民もパワハラの加害者であることに注意する必要があります。教育委員に謝るべきは中原、松井、橋下だけでなく,このような人物を教育行政に関与させている大阪府民1人1人であることを自覚しなければならないでしょう(私自身も大阪府民として申し訳なく思う)。


 橋下は「委員が府教委の決定を議会で翻す答弁をしようとしたことが原因と聞いている。話を聞いた限りでは委員がおかしい」と言っています。しかし,府知事の所属政党の代表が,相手が「おかしい」のであれば圧力をかけて黙らせることも許されると考えていることは,何とも空恐ろしいことであります。
 パワハラはヘイトスピーチと同じく,その行為自体が非難されるべきものです。パワハラは人権問題であり,いじめと同様の構造を持っています。また,それが存在するところに「自由に発言する」ことは存在しません。
 少なくとも被害者が訴え出た以上,どのような経緯があったかを精査する必要があるのに,橋下は多くとも一方の当事者からしか話を聞いていないのに,「委員がおかしい」と被害者側に責任があると断じました。これはいじめにおいて被害者側に落ち度があるいうのと同等の発言です。
 このような人物が「ヘイトスピーチは止めろ」と在特会会長に圧力をかけていたわけですが,パワハラを容認する人が否定するヘイトスピーチとは一体どのようなものかと言わざるを得ないのです。間違っても「ヘイトスピーチを批判している」というだけで橋下を評価することがあってはならないのです。


 中原、松井、橋下,この3人には権力を始めとする各種のpowerを持たせるべきではないということがまたしても明らかになりました。大阪都構想について「よくわからないけど橋下が推進するから賛成」した府民が結構居るとメディアで報じられていましたが,「よくわからないけど橋下が推進するから反対」するようでなければ愚民と呼ばれても文句は言えないでしょう。


参考
毎日新聞:大阪府教委:教育長が委員に「パワハラ」 知事へ進退伺
 http://mainichi.jp/select/news/20141030k0000e040177000c.html
毎日新聞:大阪府:教育長「続投したい」…「威圧」発言問題
 http://mainichi.jp/select/news/20141030k0000e040241000c.html

朝日新聞デジタル:大阪府の中原徹教育長、続投を表明 松井知事も求める
 http://www.asahi.com/articles/ASGBZ4VTDGBZPTIL00P.html

YOMIURI ONLINE:大阪府教育長が女性教育委員に暴言…辞任示唆
 http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20141030-OYO1T50016.html

産経WEST:松井知事、女性教育委員に辞職勧告=@橋下市長の盟友°ウ育長の高圧発言問題で
 http://www.sankei.com/west/news/141030/wst1410300036-n1.html
 http://www.sankei.com/west/news/141030/wst1410300036-n2.html
産経WEST:橋下氏の“盟友” 大阪府教育長「続けさせて」 高圧的発言は反省
 http://www.sankei.com/west/news/141030/wst1410300067-n1.html

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