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zoom RSS これはやり過ぎ

<<   作成日時 : 2011/03/20 12:09   >>

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 同じ手段を使うというのは,相手を嘲笑する手段として非常に効果のあるものではあるのですが,度が過ぎると,冗談では済まなくなることがあるのではないかと思っています。それが今回出てきたということです。



 この世の中には幾つか「唾棄すべき表現」というものがあると考えているのですが,そのうちの1つが「DNAレベル」というものです。

 いつだったか「暴徒知事」が,「中国人」による犯罪を「民族的DNAを表示するような犯罪」と評したことがありました。

 そもそも「民族的DNA」とは何でしょうか。普通「中国人」と言えば,中華人民共和国の国籍を持っている人のことを指す訳ですが,ご存じの通り中華人民共和国は複数の「独立しているべき国家」を無理矢理に併合して出来上がっている「帝国」であり,中共が認めているだけでも56の民族が存在します。その中で「民族的DNA」と簡単に言ってしまえるその思想自体懐疑するに余りあるものです。
 まあ,一般には80%以上を占める「漢民族」を想定していると判断して良いのでしょうから,その前提であるとした場合,次の問題が出てきます。すなわち「漢民族」の「民族的DNA」とはどういうものであるのかということです。
 そもそも「漢民族」はある民族を示す指標だと思っている人が多いかも知れませんが,私の考えで言えば中華人民共和国における「漢民族」というcategoryはOrientalismにおける「西洋人」というcategoryと同じで「他のあらゆるcategoryに当てはまらない存在」を示すものでしかないのです。「漢民族」は他の55の「少数民族」の要件に当てはまらない人のことを指しています。根拠を示すことができるとすれば,せいぜい「漢民族」の子だから「漢民族」と言うだけのことです。
 また,最近では「少数民族」も混血が進んでいますが,「漢民族」の最大の特徴が混血です。DNAを話題にしたいのなら,この混血を語らずして先に進むことはできないでしょう。


 さらに,文化論的に言えば,民族(nation)は別に血縁関係を必須要件としている訳ではありませんから,DNAは民族と何の関係もないと言ってしまうことすらできる訳(その好例が「回族」)で,「民族的DNA」というのは言葉がおかしいと言うこともできるのです。
 但し,逆に血縁関係を要件として民族を考えることもできるので,この言葉が批判・否定されるのは何らおかしくないとも言っておきます。


 これがせとにかかると「「中国人には犯罪者のDNAがある」のは事実として」なんて表現が出てくることになるのです。まあ,すでにここには曲解が挟まっている訳で,少なくとも暴徒知事の発言を見る限りでは「犯罪に民族性が現れる」という意味で言っているものを,せとは完全に曲解して「中国人のDNA=犯罪者のもの」というような形にしている訳です。
 そうなると,これまで暴徒知事の責任にするのは少し酷なのかも知れませんが,せとの曲解に根拠を与えたのが暴徒知事であるのは確かな訳で,やはり多少の責任はあると思われるのです。



 しかし私は,最近,これと似たような表現を見て吃驚したのです。
 たかしズムの記事,原発批判の内容なのですが,そのコメント欄で,管理人「たかし」氏はこのようなことを述べています。
米倉にしろ、与謝野にしろ、まさに「DNAレベルの○○」ですね。
○○の中には好きな単語を入れてください(笑)。

 冗談であっても,こういう表現は使うべきではないのです。何の科学的根拠もないばかりか,何の根拠もない差別を煽るものでしかないのですから。
 如何に米倉や与謝野が批判されるべきであるとしても,それは当人(及びその置かれている社会的環境)の問題であって,批判は当人に止まるべきであると考えます。もちろん,当人をそうさせている社会的環境について批判を波及させるのは妥当かも知れません。しかし,DNAは,本人が何をどうしようと変えられるものではないのです。「DNAが云々」と言って人を評価する人は,「血液型が云々」と言って人を差別している人を笑うことなどできません。
 生物学的要因によって人を評価(侮蔑)するのは,レイシズムと何ら変わらないものであり,冗談であっても絶対にやってはならないことであると肝に銘じておかなければなりません。

 これについては「ネトウヨが使ってる表現を逆用しただけ」という言い訳など聞きたくないのです。こういう表現の使用そのものが差別を煽るものであるからです。この表現を使うこと自体がせとの「「中国人には犯罪者のDNAがある」のは事実としても」を追認することになっている,もっと言えば「たかし」氏自身がその思想自体は認めているということを示すことになると私は考えます。

 単純に言うと,物事には限度があると,それだけのことなんですけどね。


附記
 こういう時に何ですが,在特会は相変わらず卑怯だなと。
 副会長の八木が「後出しジャンケンのススメ」なんて文章を書いているのですが,やらないといけないのは,自分がどれだけの情報を持っているかということを正確に把握し,それを示した上で文章を書くという事であり,その限りであれば,後から「似非専門家」と言って責めるべきではないと思います。まあ「似非専門家」と批判されることになるであろうほとんどの人はそれに当てはまることはないだろうと思いますがね。
 さて八木は「私がこのブログ記事で言いたい事はそういう似非専門家を後出しジャンケンの要領で批判し、馬鹿にしてやれば良いではないか、ということです」と書いていますが,八木自身が「思います」を連発して色々と書いているのはどう考えるのでしょうか。何のことはない,八木自身も実は「似非専門家」の1人でしかなく,真っ先に「後出しジャンケンの要領で批判し、馬鹿にしてやれば良い」対象であるということなのですよ。
今現在、東電の技術者や自衛隊等が必死の冷却作業を行っております。彼等が諦めたら確かに大惨事になりますが、そうなってはいません。また、本当に危ない状況になればマスコミも逃げ出すはずだから、原発の様子を撮影して流す事も放射線量の値を確かめて報道する事もできなくなります。彼等が現地の様子を報道している現実がある限り、そこは安全圏の中だと考えた方が良いでしょう。私は避難命令を受けて体の弱いお年寄りが避難したためにかえって状況を悪くする事の方を心配しております。放射線障害のリスクは若い人程高くなります。お年寄りの場合、被曝のリスクを恐れて無理矢理外に連れ出してしまうよりは、多少被曝があったとしても暖房や医療の設備が調っている場所(例えば自衛隊の活動拠点の近く)に避難していてもらう方が良いと思います。原子力発電に関して言っておくならば、今起こっている計画停電よりも今年の夏に起こるであろう計画停電の方を心配すべきだと思います。福島の原子力発電所は主に東京都に送るための電力量をまかなうために作られました。今、バックアップのために火力発電や水力発電の出力を上げているところだと思います。そのうち計画停電も必要なくなるでしょう。

 こういうことを簡単に言ってしまう人のことを「似非専門家」と言うのですよ。



参考
石原慎太郎暴言データ集:産経新聞 2001年5月8日朝刊 『日本よ/内なる防衛を』
 http://homepage3.nifty.com/m_and_y/genron/ishihara/data/20010508sankei.htm

せと弘幸Blog『日本よ何処へ』:「石原知事はレイシスト」発言に断固反駁する!
 http://blog.livedoor.jp/the_radical_right/archives/51087696.html

たかしズム「ネトウヨ、バカウヨ、ネット右翼、恥さらし、売国奴、日本の恥」を語るための、たかしのブログ:指名手配
 http://takashichan.seesaa.net/article/191291987.html

附記分参考
在日特権を許さない市民の会 - 呟き : 後出しジャンケンのススメ
 http://www.zaitokukai.info/modules/wordpress/index.php?p=243






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