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zoom RSS 筋違いの例え話で本筋の信頼性に疑問を持つ

<<   作成日時 : 2010/10/21 14:50   >>

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 1つの例え話としては分かりやすいかも知れないが,その例え方が全く筋違いであるとすれば,その話(をした人)を信用する訳にはいきません。


 メイド喫茶ジャーナルという,「利権にぶら下がる既存の奴らとは一線を画している」(#65の記載を引用)メイド喫茶を取り巻く状況についての記事をほぼ毎日掲載しているWeblog(のようなもの)があるのですが,何日かぶりに記事を読んでいて気になった記事がありました。


 10/18と10/19分の記事がそれで,「人気と儲け」というタイトルと通し番号が付いているものなのですが,メイド喫茶の発展と客数の過程について「最も分かりやすい例として、人気ゲーム「ドラゴンクエスト(スクウェア・エニックス)」シリーズの過去の作品の売り上げ本数」を挙げて説明しています。

このデータが信用できるものとし、では一体どの作品が一番「面白い」とお客さんに評価されたかを考えてみよう。一番売れたのは「III」である。ネット上などで資料を集めても、IIIが一番面白かったと言うユーザーは数多い。だから、やっぱり「III」だ!というのは少し待って貰いたい。
では、次の「IV」に注目してみて欲しい。IVは売上を大きく落とした。「IV」はつまらなかったんですねぇ、と考えるなら、それも少し待って貰いたい。
ゲームの中身が面白いかどうかを判断出来るのは、そのゲームを買った「後」なのだ。つまり、「売れたかどうか」は「面白いかどうか」とは本質的に無関係なのである。少なくとも売れた(買った)時点では「面白い」かどうかはお客さんには一切分からず、面白「そうかどうか」を判断したに過ぎない。ということは、前作が面白かったから次回作も買おう、若しくは前作がつまらなかったから次回作は買い控えよう、というのが発売前の正当な評価であり、従って「IV」→ 「V」の売り上げが下がったことを考えれば「IV」はつまらなかったと判断されたと言えるし、「III」→「IV」も下がっているので「III」もつまらなかったと判断されたと言えよう。もっとも面白かったと評価されたのは「II」ということだ。


 当時を知っている者からすれば,この評価そのものが「少し待って貰いたい」ものであると言わざるを得ません。
 尚,今回Wikipediaが参照されていることは脇に置いておくとします*。
 もちろん,「一番売れたのは「III」である。ネット上などで資料を集めても、IIIが一番面白かったと言うユーザーは数多い。だから、やっぱり「III」だ!」という評価が「少し待って貰いたい」というのは理解できますし,そもそも「面白い」というのは主観性のものだから,評価する基準がなく,基準を設定するとすれば「販売本数」くらいしか無いだろうと考えるのも理解できるとしましょう。
 しかし,なぜ「4」が売り上げを落としたのかについては,「「III」もつまらなかったと判断された」からとは言い切れない部分があるということを考えてもらわなければなりません。


 メイド喫茶は1から2,3と進み,8,9(,10,100),…。どこまでいこうが,同じ店は同じようなサービスを提供するという前提がある訳です*。またRPGと呼ばれるゲームには,毎度の作品にそれぞれ物語があり,大抵のゲームはそうなのですが,物語が系列化して,続いていくというのが,よくあるパターンです。


 しかしRPGの物語は,どこかで完結する場合もあり,その時,ある名前を付けられたRPGの系列は岐路を迎えることになります。
 「ドラゴンクエスト」の場合,「3」から「4」に至る過程で物語に大きな変化が起こっています。「1」から「3」にかけて語られた「ロト伝説」という物語が「3」で終了したということが知られている中で,それと掛け離れた物語の「4」が発売される運びになった訳です。
 しかも,これまで完全「マニュアル戦闘」だったシステムに「AI戦闘」と呼ばれるシステムを導入したのも「4」からです。そして,それは「4」が発売される前には分かっていた訳であり,「3」の評価に関わらず已に「4」が評価されていたので,「4」の販売数が落ちた可能性もあるのです。

 つまり,前提条件の「ゲームの中身が面白いかどうかを判断出来るのは、そのゲームを買った「後」なのだ」自体が已に破綻しているのです。
 ゲームを買う人(の一部)は,そのゲームを買う前に情報誌などの情報を見て,已に面白いかどうかを判断し,その上で買っているのであって,判断の一部に前作の評価が入っていることは否定しませんが,それのみが判断の基準となっている訳ではないのです。


 この話が「メイド喫茶」を語る上で取り上げられているということは理解できるものの,それと「ドラゴンクエスト」シリーズの評価をした人の考え方の批判とは別問題であり,「メイド喫茶」の話だけをしたいのであれば,「ドラゴンクエスト」の話は全くするべきではなかったでしょう。しかし,管理人氏*はそうしなかったのです。
 この話,もしかしたら,大人気で儲かっているメイド喫茶が突然リニューアルし,その結果客数が落ち込んだとして,客数が落ち込むリニューアル直前から実はつまらなかったのだと結論付けるようなものなのかも知れませんが,それは結果論です。そもそも「大人気で儲かっている店は大変革の必要がない」という帰納的前提が,演繹的にもそうそう例外がないので,結果論に見えないだけの話です。


 また,結果論は1つの考え方ではあり,批判される筋合いはないと言われるかも知れませんが,この記事の例の挙げ方には,それ以前の問題点があります。

 1つ目,ほぼ毎日営業しているメイド喫茶と,1〜数年に1つ作品を発売するような「ドラゴンクエスト」とを同列で語れるのかという問題です。
 ゲームの物語は「大人気で儲かってい」ても話を終わらせなければならないことがあり,また,次の作品が発売される前にはすでにその作品の情報が小出しに発表され,発売以前に次の作品の評価が多少は為されているというのも考慮する必要があります。
 その結果として,ピークが作品と作品の間に来るということも考えられるのであって,数字だけを見て「リピーターが付いたから前の作品は良かった」と結論付けること自体に無理があります。

 2つ目,メイド喫茶を取り巻く状況の変化に言及しているのですから,当然のことながら,「ドラゴンクエスト」シリーズを取り巻く状況の変化も踏まえた分析が為されるべきなのに,販売本数のみを見て,人気の評価をしていること。果たして販売本数は本当にその作品の評価と聯繋するのでしょうか。「メイド喫茶ジャーナル」の記事にあるような聯関を考えたとしても,それは環境が全く同じである場合に限られるのではないかと考えるのが普通でしょう。そうなると,確かに「1」〜「4」は同じFCでの発売だから,販売本数が最も多かった「3」の前の「2」が最も支持を集めたのだという評価ができるかも知れませんが,1つ目の疑問でも述べたように,当時の状況が全く同じだったという論証はされておらず,この結論は無理があります。


 いくら「美味しいかどうかが影響するのは「リピーター」の部分だけ」と言ってみたところで,ゲームの場合,ある作品とその次の作品の味が同じであるなどと言うことはないのですから,次の作品を買うのがリピーターであるとは限らない訳ですし,次の作品を買わない理由が「前の作品が良くなかったから」とは言えないのも当たり前のことなのです。
 もちろん,次の作品が似たような味になることは予想される訳で,リピーターがつかないと言うことは否定しませんが,その部分だけが前の作品の評価に影響する訳ではないのです。次の作品の制作段階で公表される画像やキャラクター設定,ストーリーの欠片などを判断して「次作は期待できない」と判断されれば,次作の売り上げは前作の評価に関わらず,もしくは前作の評価が高いほど落ちることになるという事も考えられる訳です。
 先に述べたように,ゲームの場合「ピークが作品と作品の間に来る」場合もあるのですから,ハンバーガー屋の事例が必ずしも当てはまらないのは自明です。そして,この記事ではその点が全く考慮されておらず,前提として誤った情報を素にして記事が組み上げられています。


 記事では「メイド喫茶の歴史に於いて、良いと評価された店というのはブームの立役者になった店であり、ブームを終わらせた店ではない」とあります。確かにそうなのかも知れませんが,それでは「ドラゴンクエスト3」は「ブームを終わらせた店」と同列に扱えるのでしょうか。
 販売本数という結果論から見ればそう見えるかも知れませんが,物語の話や戦闘システムの話からも分かるように,実質的にこれはもともと「ブームの終わり」に存在していたのであって,「ブームを終わらせた」のではないこと,もしくはそもそも「ブームを終わらせる役割を担わされていた」ということに注意する必要があります。

 メイド喫茶の現状を見るに,そもそも「ブームを終わらせる役割を担わされていた」メイド喫茶が存在していたのかという事を考える必要があるのではないかと思います。それが無いままに「ブームを終わらせた店」が存在するのだとすれば,それは「3」と同列に語るべきものではないということになるのではないでしょうかね。


 そう言ったことからも,今回の「メイド喫茶ジャーナル」の記事は牽強付会に過ぎると考えるべきです。話を持っていきたい方向自体は理解できても,それを根拠付ける資料の分析が全くできていないことを暴露してしまった訳です。
 資料の数字だけを持ってきて例として挙げたいのならば,資料の中身に言及してはいけない訳ですが,そういうことは実質不可能な訳です。今回の「メイド喫茶ジャーナル」の記事のような取り上げ方をすれば,いくら「例として挙げただけだ」と言い訳しても,「ならばなぜそれを例として取り上げる必要があったのか」ということになります。

 何せ管理人氏は「もっとも面白かったと評価されたのは「II」ということだ」とか「前回の記事で、ドラクエの人気タイトルを「III」とした人は、よいメイド喫茶を作ることは難しいだろう。何故ならそれはミスジャッジだからだ」とか言ってしまっていて,「ドラゴンクエスト」系列でどれが一番人気だったかを評価してしまっているのですから,資料の中身に言及している訳です。それどころか「ドラクエは「V」が良かったから救われた(VIが売れているから)。お陰で現在も続く人気シリーズとなっている」とまで言っていて,結局の所「3」と「4」の頃を暗黒時代の如く評価したとも言えるのです*。
 ならば当然,資料の中身への言及が不十分であればそれは批判されるべきであり,また,資料の中身を分析した上で取り上げたものとして捉えて問題ないということになるでしょう。そう捉えるならば,資料の中身への言及は不十分としか言い様がないのです。


 そもそも,ものの売り上げを数字のみで語るのは資本主義経済論の中だけの話であり,人間社会では「評価が高い=売り上げが伸びる」とは限らないのですよ。前提として「販売数=評価の高さ」というのを持ってくるのなら,当然のこととして,それを左右する要因について調べておく訳で,数字だけを追えば全ての評価が下せるなんてことはないのです。

 まあ,メイド喫茶の状況については「メイド喫茶ジャーナル」の管理人氏の方が詳しいでしょうから,そっちに任せておけば良い訳ですが,その人が引き合いに出してきた資料の分析をここまでぞんざいにするのでは,本業(?)の「メイド喫茶分析」の情報の信頼性も揺るごうというものですよ。



補足
 どうしても「3」を「ブームを終わらせた」作品として論を進めたいのであれば,「ブームを終わらせた店」である「3制作当時のエニックス」を持ち出してくるべきだったのではないでしょうか。
 あと,ゲームのROMカセットは食べられない代わりに,実際現地に行ったり購入したりしなくても堪能することができるというのも,ハンバーガー屋やメイド喫茶などとは異なる点であり,こう言ったことが考慮されないままに引き合いに出されているのは納得できないですね。




* ご存じの通り,Wikipediaの記述は必ず何らかの参考文献が存在するので,本来は参考文献の方を参照するべきだという批判が為される。
* 同じ店に行く回数と捉えても,同じ系列の「〜号店」と捉えても,conceptが変わらない限りは同じものが想定されよう。また,特典のような付加要素は除くものとする。
* 以前は「あくみ」という名前がどこかに載せられており,本文にも時々他人から管理人氏への呼称として登場する。
* 「5」が「4」よりも売れなかった理由としては色々考えられるだろうが、FCからSFCに移行したことが全く考慮されないのは不公平だろう。



参考
メイド喫茶ジャーナル:人気と儲け1
 http://akiba.geocities.jp/maid_j1/z_col0a.html#[344]

同:人気と儲け2
 http://akiba.geocities.jp/maid_j1/z_col0a.html#[345]

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