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zoom RSS 「誰に 誰を 誰が」理解しているのかという問題

<<   作成日時 : 2010/03/28 22:22   >>

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(「誰に 誰を 誰が」というのははたあきからの引用,敢えて曲名出さない。ここでは「誰にとって」、「誰のことを」、「誰が」理解しているのかという問題について書くということです)

 さて,自分自身のことを一番理解しているのは誰なのだろうか,という問いを出された時,あなたは何と答えるでしょうか。
 おそらく「自分自身」という答えを出す人が相当数(少なくとも「それなりの数」)居ると思うのですが,…果たしてその認識は「真実」でしょうか。

 もし,「自分自身を一番理解しているのは自分自身であり,他人は結局自分自身を自分以上に理解することはできない」というのが真だとすると,他人とのコミュニケーションは最終的に不可能になります。なぜなら,ある人を一番理解しているのがその人自身である以上,相手が自分の気に入らないどのような事言っても「相手は自分のことを分かっていない」として切り捨てることができからです。この場合,あらゆるコミュニケーションは「不完全なもの」で「一応のもの」となってしまうのです。


 これを(改めて)考えるきっかけになったのは,manysided(もしくは「多面体」)さんの「「男をわかってない」と言われまくる件」という記事*とたんぽぽさんの「わからないオトコ」という記事です。(以下引用の際,前者からの引用箇所は「斜体or "blockquote"タブ使用」で,後者からの引用箇所は〔「斜体or "blockquote"タブ使用」+下線〕で示す)が,そこでちょっと気になったのが,「自分自身を分かっている」ということを前提条件として認めてしまって良いのかなということです。

 


 さて,manysidedさんは性犯罪についてやりとりをしていた時にこのようなことを言われたのだとか。
「男の性欲をどうしてくれる!」

「あんたは男ってものをわかってない」

 そして,「私はある重大な発見をした」のだそうで,それが以下の部分。
「男はこういうものなんだ」という人たち(男女問わない)は、

では女性はどういうものなのか、というのをわかってない。わかろうとしていない。

ひたすら「男とは」を説いてくるのみ。

自分の知っていることがすべて。

んでもって「わかってない女にわからせなくては!」という焦りがあるように感じる。

懲らしめてやらなきゃ、みたいな空気を感じる。

 なるほど「「男はこういうものなんだ」という人たち(男女問わない)は、では女性はどういうものなのか、というのをわかってない。わかろうとしていない」というのは理解できるものです。
 ただ,理解できるとして,さて,そもそもこういう手合いは「ひたすら「男とは」を説いてくるのみ」でありながら,真に「「男はこういうものなんだ」」ということが理解できているのかというと,それも怪しいと思います。何せ「自分の知っていることがすべて」でしかない訳ですから,その時点で「男」すら画一化して捉えてしまっていて,およそ「男」と呼ばれる者の全てを理解しているとは思えませんね。


 manysidedさんは「私は女性全体を代表しているつもりはなく」とも書いているので,「女はこういうものなんだ」という一般論を打つつもりはないようです。それ故,「「わかってないにわからせなくては!」という焦り」も無いように見えます。

 なので,manysidedさんにはこういう事を言っても「釈迦に説法」となってしまうのですが,それでも敢えて言いたいことがあるのです(記事を読む人がこれを理解していないと困るので)。
 それは,こういう話をする場合,そもそも〔「“オトコ”な方々」は「男」が「どういうものなのか」を分かっている〕ということを前提条件として認めてはいけないということです。
 特に「“オトコ”な方々」が真に男性の場合,女性がその前提条件を認めてしまうと,例え女性側が「自分は自分のことを分かっている」と思っていなくても,相手側を「自分は自分のことを分かっている」としてしまうことによって,相手側と同じように,相手に相互理解の可能性があるということを否定するという状況に陥る可能性があるということです。

 まあ記事を読めば,相手側はそもそも相互理解をしようとしていない場合が多いのですが,それを一般化してしまうのは,やはりよろしくないと考えるべきで,相互理解の可能性があるという部分は,何らかの形で残しておく必要があるだろうという(少し甘い)考えなのですがね。



 さて,それを受けて,たんぽぽさんも意見を述べておられます。「男性の性欲は、本質的に理性などで抑え切れないと信じているかたも、すくなからずいると思います」という指摘は,一般論で片付けるにはあまりにも病根が深いものと言わざるを得ないと思いますね。
「男性の性欲は本能で、生物学的なものだ」とでも
思っているのではないかと、わたしは思います。
これは、女性の「母性」を本能と思っているように、ですよ。

男性の性欲を、そのようなものと考えれば、
「本能だからすべての男性に備わっている」
「本能だから理性で抑え切れない」と、
一般化して正当化することになってきます。

 いや多分,「本能」の中に「性欲」はあると思うんです,確かに(少なくとも「母性」よりはその可能性は高いでしょう)。ただ,一般的な動物のように「性欲」を一般化できるかというと,それはやはり怪しいと思いますね。何故なら,私は人の人たる所以の1つが「本能を理性でコントロールできる」ところにあると思っているので,「本能」だとか「生物学的なもの」だとかいう理由で正当化されても困るのですよね。

 しかも,この一般化が正当化されてしまうと,男性は「本能を理性で抑えることができない」という事になる訳です。しかしそれって,人が人たる特徴の1つである「本能を理性でコントロールできる」という部分を否定していることになり,結果として「男性は“人(Homo-sapiens)”ではない」と主張していることになるんですが,「“オトコ”な方々」はそれを分かってるんでしょうかね。まあ,本気か冗談か「「男は獣なのだ!(キリッ)」」なんて言う人も居るようですが。
 忘れてはならないのは,「獣」が「獣」のままで生きていけるのは,〔「獣」が「獣」だから〕なのではなくて,そこから変わる必要が無いから(あるいは変わると生きていけないから)ということです。逆に言えば,「獣」である必要がなければあるいは「獣」でない必要があれば,「獣」ですら「獣」のままではないことになりますな。「野生」を失った「獣」の話とか調教されている「獣」とか,枚挙に暇はありますまい。
 これらが全て「「生物学的に壊れている」」とでも言うのなら,このような一般化を正当化する方々は,こういった一切の「生物学的に動物を壊す」行いを止めさせるようにするべきですな(「全ての動物園、水族館等の閉鎖」や,「絶滅危惧種の保護を止める」よう主張しなければなりますまい)。

 「性犯罪やめますか、人間やめますか」*,こんな二択要りませんよ。


 さて,もう少し文章を見てみましょう。
こうした人たちに、「男性にもいろんな人がいる」のような、
個人差や多様性を主張しても無理でしょう。
「生物学的基盤がある」と信じているのですから、
そこに「個人差」とか「多様性」などという
「例外」などあるはずないと、考えるわけです。
(あれば「生物学的に壊れている」と考えるのでしょう。)

 おそらく,たんぽぽさんのこのような考え方が「明らかに間違っている」ということは無いでしょう。

 人は理性を持った時点で,既に「生物学的に壊れている」のではないかと思うのですよね。〔本能が求めることを理性で「コントロールしている」〕訳ですから,それを「生物学的に壊れている」と呼ぶのならそれはそれで真でしょう。
 しかし,こういう手合いに「社会のルール」を説かれるのは真っ平御免ですね。社会のルールを守るなどという,それこそ全く「生物学的に壊れている」行いなどを,如何なる形であれ「本能」のままに行動することを是認する人々には主張して貰いたくない。こういう手合いの主張は,そう言った矛盾を孕んでいるからこそ,支離滅裂になっていくのではないかと思いますね。



 私,そもそも性被害に関しては,トラウマになる程のものを受けたことも,それを与えたと主張されたこともないので,あまり話ができる質ではないのですが,二次被害、二次加害に関しても少しだけ。
 「女がそういうことをするからいけないのだ」とか「女が気を付けなければならない」とか「襲われた女のほうが悪い」とか考える場合,実はその言は犯罪を是認しているということに気が付いている人はどれ位居るんでしょうか。極端な話,違法に商売している娼婦を強姦しても(「強姦罪」が存在する限りは)「罪」になるんですが,そういうことを言う人たちは,「女の方が悪い」としてその「罪」を犯す側を擁護していることになるんですね。
 確かに,「女がそういうことをする」のを目撃してしまう時というのは,「男」にとって一種の非常事態かも知れない,理性の箍が無意識に緩むのかも知れない。しかし,だからと言ってそこから先には進まないのが人(の誇り)ってものでしょうに。
 そして,非常事態であっても,必ずしもその後の行いが不可抗力的に為されるとは限らないのであって,そこを考慮することなく「非常事態」で片付けてしまい,「非常事態における犯罪」を是認してしまう手合いには注意が必要です。


 今回は余り纏まらないうちに文章を上げてしまうことになりそうです。未経験者には難しい話題であるということでご勘弁頂ければと思います。*



* たんぽぽさんのトラックバックは本館の方の記事に付いているのだが,本館の但し書きを読むに,私は自分が「性犯罪に理解がある」とは思ってないし,管理人と友好関係にあるわけでもないので,本館の記事を引用してトラックバックを送付することはしない。「当ブログの読者様が傷つく可能性があるもの」となってしまう可能性も否定できないし。
* 似たようなphraseが15〜20年前にあった。
* だったら書かなければ良いのだという突っ込みもあろうが,つい書いてしまった。




参考
「あなたは悪くない」別館:「男をわかってない」と言われまくる件
 http://d.hatena.ne.jp/manysided/20100316/1268768741

たんぽぽのなみだ〜運営日誌:わからないオトコ
 http://taraxacum.seesaa.net/article/144553760.html

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EricProstさまが、またまたわたしのエントリを 取り上げてくださりました、どうもありがとうございます。 「「誰に 誰を 誰が」理解しているのかという問題 」 わたしのエントリと、そこから引用した、 多面体さまのエントリがいっしょに参照されています。 「わからない.. ...続きを見る
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
またまた、わたしのブログを取り上げてくださり、
ありがとうございます。

そこで「生物学的に壊れた」と考える人は、
「壊れた」人をスポイルすることを考えるようです。
たとえば「母性本能」でしたら、壊れた女性に対しては
「熟成」が必要、なんて言ったりするんだけど。

その具体的な方法は、教育によるなど学習なので、
(彼らがやりたかった、カチカンの押しつけですね。)
ぜんぜん本能でなかったりするんだけど。
(生物学的基盤と言いながら、医学的な治療や、
カウンセルはぜんぜん挙げないみたい...)
たんぽぽ
2010/03/29 23:30
>たんぽぽ様
 コメントありがとうございます。

>「生物学的に壊れた」と考える人は、
>「壊れた」人をスポイルすることを考えるようです。
 「スポイルする」事を考える手合いは,「壞れた人」の存在を認めたくないんでしょうね。世の中の構造が「単純であればある程」マジョリティサイドは楽でしょうから。

 ただ,可能性として,こういう手合いの中に「スポイルする」つもりは欠片もなくて,「矯正する」(or「矯正を願う」:「正しい方向」に行ってもらいたいと思う)つもりの人も居るのだと思います(そう思いたいですね)。
 それはそれで,尚,質が悪いのですが(意図はともかく「スポイル」としか見えない点では同じ)。
Eric Prost
2010/03/30 08:45

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