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zoom RSS 「最後の食事」と「外れた予測」

<<   作成日時 : 2010/01/21 18:29   >>

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 特に何か話題になっている訳でもないのですが,最近気になっていることを2つ書いてみます。


 1つ目。別に最近に限ったことでもないのですが,あたかも「終末論」的な「明日人類が滅亡するとしたら,最後の晩に何を食べたいですか」(別に「人類」に限らなくても良い,「明日核ミサイルが落ちてくる」でも良い訳で)のような話題が時々メディアに上がってきます。
 つい最近では,アメリカの死刑囚が死刑執行の前に何を食べるのかについての記事を読んだ*こともあって(北京《新京報》2010年1月17日付),こういう話題は別に日本に限ったものでもないとも思うのです(まあ「終末論」的な話題自体,欧米発のものが多い訳ですが)*。

 しかしよくよく考えてみると,現在の世界で,突如として「明日人類が滅亡する」ことが予測できる事態というのは,そうそう起こり得るものではないと思うのです。
 例えば,別の天体の衝突など,今の観測技術であれば,突如「翌日衝突する」などという事態にはならない訳で,数箇月あるいは数年前からその日が来ることが予測できるでしょう。
 そうすると,果たして「最後の晩何を食べるか」を考えたとしても,それが準備できるような環境にあるのかどうかという事を考えてみるべきなのかも知れないと思うのです。
 つまりどういう事か,滅亡が避けられないとなった時に,果たして普段通りの生活を送るだけの精神を持ち合わせていられるかという事とも関連するでしょう。人類滅亡となれば,現に存在する不治の病に冒された人たちよりも状況は厳しいものとなります。ただ自分が死ぬという事だけではなく,あとに残るものが全くない状況となるのですから,「自分が死んでも云々」という事さえないのです。それこそ一切が「空」になるような感じですから,予測できてしまった場合,その後の生活は果たしてどうなってしまうのか,これは非常に難しい問題ではないでしょうか(特に死後の世界について虚弱な思想体系にあっては)。

 現に《新京報》の記事でも,死刑囚は最後の食事を考えるほかに考えることが多くあり,「最期の食事」に特に何も注文しない人が多いということ(これはアメリカでその「最後の晩餐」を撮った人の意見として書かれている)が何となくそれを暗示するような気もするのですが如何でしょうか。


 また,「核ミサイルが落ちてくる」なんて事態の場合,一般大衆がオロオロするのならともかくとして,所詮は人の行為に過ぎないのですから,「最後の晩」を考える前に,その発生しそうな事態を避ける為の方策を考える方が先と言えるでしょう(映画には天体衝突すら回避できるシナリオがあったような気もしますが)。


 さて,「最後の晩」に自分の望み通りの物を食べられる人というのは,非常に幸せな人だなとも思うのです。明日にも死にそうな病人、怪我人だとしたら,とてもじゃないですが望み通りにものを食べることなど叶わないのではないかと思いますし,突然死する人など,大抵「明日死ぬ」とは分からないのですから,「最後の晩」など予想も付かない訳で,まず望みが叶うとは思えません。

 まあ,こういう風に考えてみると,このような話など,健康に生きていられる人による「余興の一種」に過ぎないと思えてくる訳で,何とも現実味に欠ける気がするのです。死刑囚が「自分が明日死ぬ」のを考えることと,普通に生きている人が「自分が明日死ぬとしたら」と考えることとの間には大きな溝があると思うのですが,その溝を埋めることなく,その2つを同列に並べることにはやはり無理があったようです。

* 記事によると,上限40ドルでそれなりに自由に選ぶことができるようであり,「オリーブ1粒」から「タバコ」、「たっぷりのジャンクフード」、「フルーツ盛り合わせ(みたいなもの)」などが例示されている。
* さて日本はと言えば,話を聞く限りでは,死刑囚は当日の朝自分の死刑が執行されると知ることになっているようで,「最後の晩」が分からないのもさることながら,「最後の食事」は結局普通の人と変わらないことになる。日本では「死刑囚の最後の食事」などは,話題になり得ないようである。話はそれるが,死刑囚に対して死刑囚自身の「死」すら隠蔽するこのやり方はどうかと思う。




 2つ目。11月後半,日経平均株価が9000円近くまで(TOPIXは800近くまで)下落していた頃,「鳩山政権になって以来,日本だけ株価が下がっている」という話題を取り上げたWeblogがありました。
 まあ,例によって取り上げるのはcoffeeの記事ですが,最後の方で「平成21年 鳩山恐慌」なんていう書かれ方もされていて,その当時,今後どこまで株価が下がるのかが話題となっていた訳です(コメント欄を見れば,日経平均が8000円台前半まで落ちるとか来年1月には8500円台とか予測した人も居るようで)。

 では,その後どうなったのか,1/21の午前の段階で,日経平均は10700円程度,TOPIXは950程度です。何のことはない,回復しちゃってます(現時点で,少なくとも「下がり続ける」という予測は完全外れ,日経平均は9000円も切らなかった)。結局「鳩山恐慌」は「平成21年には起こらなかった」のです。
 しかし,話はここで終わりません。これが鳩山政権の政策によるものなのかという事も問題なのです。鳩山政権が政策の方向性を転換して,株関連の人がそれを好感した結果日経平均が上昇に転じたのであれば,鳩山の御陰とでもいう感じになるのでしょうが,どうもそういう感じではないようです。鳩山が政策を転換しているとも思えませんし,鳩山の周辺に巻き起こった醜聞を考えると,鳩山政権を好感して株価が上昇に転じるとも思えず,鳩山の御陰であるという考え方に,私は懐疑的にならざるを得ません。

 さて,こうなると,事の原因を日本国内に求めること自体に無理があると考えるべきでしょう。確かに日本国内の事情は日本の株価にとって1つの原因ではありますが,「グローバル経済」なんて呼ばれている中にあって,日本国内に全ての原因があると考える自体,無理があるのです,言うまでもなく。

 ちょっと話は違いますが,1月になってから財務大臣が藤井から菅に替わったその日,菅が「1ドル95円くらいが妥当かなあ」みたいな発言をして,1円位円安に振れたのですが,翌日,アメリカの雇用に関する数字が出ると,それでドル売りになって70銭位の円高に振れました。財務相の発言など,アメリカからデータ1つ出てくれば吹っ飛んでしまう程度のものということをよく表しているとは言えないでしょうか。

 ここ数日を見ても,日本の株価に影響しているのは日本の政局ではなくて,海外の経済動向のようであり,結局の所,鳩山政権の動向が株価に直接繋がっているとは限らない,つまり,鳩山政権の動向のみが株価に影響するpowerではないことが現れているのではないかと思います。
 もちろん鳩山政権の動向は株価に影響するでしょうが,株価が変動する要因はそれだけではないということです。そして,例え鳩山政権が株価を下落させている原因だとしても,それ以外の要因によって株価が上昇するのであれば,意外とそのpowerは小さいと考えた方が良いのではないかと思うのです。単純に「全て鳩山のせい」と考えるのでは,鳩山の過大評価に繋がるのではないかとも思うのですよね。

 だから鳩山に任せておけば良いと考えるか,鳩山の首を挿げ替えるべきと考えるか,民主党政権で良いのだと考えるか,もう1回総選挙をやるべきだと考えるか,自公連立の時代に戻るべきだと考えるか,将亦純粹な保守による政権を打ち立てるべきだと考えるのか,それはまた別の問題という事でしょう。

 尚「Yahoo!ファイナンス」で各市場の株価を昨年9月中旬と比べると,アメリカ、イギリス、フランス、ドイツが10%程度上昇しているのに比べて,一端下がった影響か,日本の株価の上昇は10%に達していない(TOPIXに至ってはほぼ横這い)ことを捉えて批判することも可能ではあるのですが,さすがにそれはちょっと「難詰」の部類に入ると思うので止めます。


 まあ言ってしまえば,予測など大抵外れるものであると。しかし「優秀な予言者ほど予言が外れる」という考え方もあるようで,これがなかなか難しいのです(逆は然りでなく,外れる予言が優秀とは限らない訳だが)。
 しかし,青山繁晴の「衆議院選挙は8月30日が最有力」という予測は2月の段階で言い出され,その後結局変更されることなく的中した訳で(「別の可能性がある」と言って逃げを打っていたという批判は可能であるとしても),2008年の段階で早々に予測を外した某新聞(アサヒっちゃったんですね)とかの例を見ても,青山の予測は結構優秀なものだったのではないかと思うのですよね。果たして,「優秀な予言ほど外れる」のは確かなのかどうか*,これも考えどころでしょうか。
 さて,ここで1つ目に戻って,予測が大抵外れるとなると,「明日人類が滅亡する」という状態が果たしてあり得るのかについて,ますます懐疑的にならざるを得ないのです。これで2つが繋がったことにしておきます(繋がってなくても良いかなと思ったが,こじつけできたので繋がりがあることにしておく)。


 あ,普段他人が予測外したことを責める手合いは,自分が予測外した*ときはだんまり決め込むんだなと。これは自戒も込めて(誤ることが問題なのではなく,誤ったと認めないことが問題なのだ。少なくとも誤ったと認められるようにありたいと思う)。

* 人々が予言が当たらないように動くからだということであったが,私自身としては,それも含めて予言できるのが優秀な予言者じゃないか,と突っ込みたい。
* この場合は,観測結果自体は間違っていなかったのに,そこから導き出される結論に誤りがあった,その時にどういう反応を示すかという事であるが。少なくとも「平成21年 鳩山恐慌」と書いたのに,結果としてそうなっていない事に対してはだんまりかよと。



参考
正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現:日本株だけ下落!鳩山恐慌!政策不信で4日続落!9500円割れ!・「ドン引きされる日本」・鳩山政権発足以来、世界の株価が大幅上昇する中、日本の株価のみ大幅下落・返済猶予法案、温室ガス削減(鳩山イニシアチブ)、事業仕分けで科学技術発展阻害、内需縮小
 http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-3645.html

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
鳩山恐慌は長引くと思いましたが、良く踏みとどまりました。
また下がる予感がしていますが。
coffee
2010/01/22 03:01
>coffee氏
>また下がる予感がしていますが。
 「第二次鳩山恐慌」ですか?
 たまたま鳩山が首相の時に恐慌が来たと言うだけでは,「鳩山恐慌」と呼ぶに不十分な気がするのですが。
Eric Prost
2010/01/22 08:23

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