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zoom RSS 実際はどうなのよ

<<   作成日時 : 2009/11/29 14:36   >>

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 私は現状での郵政民営化には反対していたので,国民新党に関してはその点で応援していたのですが,この記事に書かれた内容に関しては疑問は尽きません。
 まあこれを取り上げたのが,ネットではMSN産経ニュース(つまり産経新聞)のみなので,取り上げ方について疑って掛かる必要があります。それでも現時点で(国民新党が例え付随的にこれを言っているとしても)やはりそれについては考える必要があるだろうということで,敢えて取り上げます。

 1つ留意しておかなければならないのは,これを報じているのが産経のみであり,かつ国民新党の要望書そのものを読む手段が無いので,産経の書き方を丸呑みにして議論を始めるのは考え物であるということです。
 そのため,問題が国民新党の要望書に既にあるものなのか,それとも産経の書き方なのかということは,今後の情報を待つということになります*。


 MSN産経ニュースの記事は以下のようなもので,短いので全文引用します。
 国民新党は27日、党政務調査会の会合に日本郵政の斎藤次郎社長を招き、日本郵政グループへの要望書を手渡した。要望書は、日本郵政に「公共的使命の自覚」を求め、郵便局での祝日の国旗掲揚と逓信記念日(4月20日)の国歌斉唱を促した。

 民営化前の郵便局では、休日に国旗・郵政旗を掲揚し、逓信記念日に国歌を斉唱する局もあったという。国民新党側が「今はほとんど国旗を掲揚していない」などと指摘すると、斎藤社長はうなずいていたという。このほか要望書は、「サービスの改善」のため集配郵便局大幅削減の見直しなどを求めた。

 同党の自見庄三郎幹事長はその後の記者会見で、郵便局の国旗掲揚、国歌斉唱について「政府が日本郵政の株を持っているのだし、国民としても当たり前のことではないか」と語った。



 まず冒頭で「要望書は、日本郵政に「公共的使命の自覚」を求め、郵便局での祝日の国旗掲揚と逓信記念日(4月20日)の国歌斉唱を促した」と書いていますが,郵政の「公共的使命の自覚」の真っ先に現れる先が「祝日の国旗掲揚と逓信記念日の国歌斉唱」ごときであっては困るのですが。むしろ産経が「このほか」としている「サービスの改善」*の方に真っ先に現れて貰わなければ困るのですよ。国民新党としてその辺はどうなんでしょうかねえ。


 そして産経の書き方では,自見庄三郎の発言が極めつけになっちゃってるんですよね。もしこれが産経の報じる通りなら(加えてこういう事しか言わなかったとしたら),馬鹿極まるというか,こういう人を政権に座らせちゃいかんなというか。
 少なくとも現在の郵便局で国旗掲揚、国歌斉唱することについて「政府が日本郵政の株を持っているのだし、国民としても当たり前のことではないか」と言った訳ですよね。政府が株を持っていたら,国民はその会社での「国旗掲揚、国歌斉唱」は当たり前だと考えているという認識でしょうか。

 まず少なくとも,日本郵政は「民営」な訳ですよ,如何に現状およびその成立過程に不満があろうとも。それを覆す法案も通さない*内から,民営会社に対して「政府が株持っているから国旗掲揚、国歌斉唱が当たり前だ」(しかも「国民としても」というクッションワードを付けて)と言うのなら,以前政府が融資した銀行とか各会社にも「政府が融資して助けてあげたのだから」とか言ってみたらどうでしょうかね。あと,補助金出している私立学校全てにもこう言ってみますか。これだけ範囲を広げてみれば,どれだけこの発言が馬鹿馬鹿しいものか分かろうものです。


 国民新党は郵政民営化反対ですから,これを言うこと自体は構わないんですよ,国営企業である(べき)郵政が「国旗掲揚、国歌斉唱」をするべきだってこと自体は*。ただ,民営化されている会社に対しての要望書に書くのかって事です。
 そもそも「政府が株持ってる」からって民間会社に圧力掛けて良いのかという疑問はさておいちゃっている訳ですよね。これって以前の護送船団方式の焼き直しに過ぎない訳で,そんなのを政権の内に抱え込んでいる今の政権が「改革」? ちゃんちゃらおかしいって事になるんですよ。

 詰将棋は,手順前後をやらかすと詰まなくなります。国旗掲揚、国歌斉唱に関しては,国民新党のやっていることは手順前後です。上にも書いたように,民間会社に圧力掛けることが許されるのなら,国家が補助金出している私立学校にも口出しすべき*だということになりますし,税制で優遇受けている大企業様も国旗掲揚と国歌斉唱するべきだということにならなきゃおかしいでしょう*。こうなると,対象は果てしなく広がらなければおかしくなります。国民新党はそこまで考えて,国旗掲揚、国歌斉唱に関して日本郵政への要望書に書いているとは思えないんですね。それが手順前後だと言うのですよ。
 国民新党として,特に発言を取り上げられた自見はその幹事長として,その辺りの認識はどうなんでしょうかね。



 さて,産経の書き方の問題としては,国民新党に関するニュースと自見幹事長の発言との間に巧妙に*産経の「気持ち」を潜り込ませていることです。それは「民営化前の郵便局では、休日に国旗・郵政旗を掲揚し、逓信記念日に国歌を斉唱する局もあったという。」という部分。事実がはっきりとしているのなら,そのように書けば良い*ものを,伝聞表現にしているということは,要望書には書かれていなくて,国民新党の関係者が会話の中で話した内容なのかも知れません。
 それを巧妙に拾い上げて,あたかも国民新党が「国旗掲揚、国歌斉唱」を郵便局に求めたという印象を与える文章を書いているというのが見えてくるという点で,本当の問題は産経の方にあるのです。
 あと「このほか要望書は、「サービスの改善」のため集配郵便局大幅削減の見直しなどを求めた」と書いていますけど,本来取り上げるべきは国民新党にとっての本題であって,書く側にとっての本題ではないんですね。その辺り,産経はしっかりと考えた上でこの記事書いたのでしょうか。国民新党としては産経が「このほか」って書いた部分がむしろ本題だったのではないんですかね。その辺り,どうなんですかね。

 しかし,こういう記事を書かれる国民新党は脇が甘いと言わざるを得ないのですね。国民新党の存在意義がどこにあるのかという原点に関わる部分でこういう記事を書かれてしまうようでは,この政党,今後沈没していくだけのように思います。



* 事情はどうあれ産経の書き方はterribleであるが。
* 産経が「サービスの改善」とわざわざ括弧書きにしていることに注目。こういうのは印象操作の一種である。
* まだ提出すらしていないのか,国民新党は。
* 要望書出してまで言う必要があるかという疑問,それ自体に反対しなければならないのではないかという疑問,もはや国営化への逆戻りは諦めたはずじゃないのかという疑問はさておくとして。
* 今話題の「日の丸・君が代」問題について,私立学校は完全に蚊帳の外にいることができている訳だが,国民新党のこの論理を援用すれば公立学校で起こっていることを私立学校で起こすことも可能になってしまうのではないか。
* 少なくとも政府の庇護を全く受けずに活動ができているのは,それこそ反政府団体だ。と言いたいところだが,実は反政府団体も政府無しには存在し得ないので,政府が全く関与しないで存在できる団体というのは結構限られる。「政府が云々」で主張の正当性を確保しようとする姿勢自体が問題なのだ。
* と言っても露見しているが。
* そう書いてるじゃないかと思われるかも知れないが,伝聞表現にしなければならないというのは,少なくともこの記事を書いた人はその事実を知らなかったということになる。所詮はその程度なのである。


参考
MSN産経ニュース:国民新党、郵便局の国旗掲揚と国歌斉唱を要請
 http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091127/stt0911271945013-n1.htm

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