Eric Prog

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zoom RSS これは誰を真似たのかなあ

<<   作成日時 : 2009/11/05 07:58   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 2

 他国の技術を取り入れ,自国で「多少」発展させた後に,それを「自国製品」として技術元とは別の国へ売りに出す。これ,30〜20年前にどこかの国で見たような気がするのですが,いざ自分たちがその「他国」の立場になった時に,どのように感じるのかということを端的に示した例が,今回のものではないかと思う訳です。


 coffeeのような手合いは,こういう事例に飛びつくのも速く,記事が上がっているので,今回参考にさせて頂きます。

 尚,coffeeは記事中でYahoo!にあるニュース記事を引用していますが,(そのうち消されることを考えて)ここではそれと同じ内容のMSN産経ニュースの記事()を参考にします。

 産経自身もこれを批判的に書きたいようで,書き出しからしてこのような書き方になっています。
 日本の新幹線に相当する高速鉄道の整備を全土で進めている中国が、日本など外国の技術に改良を加えたものを国産技術だとアピールし、「自主開発車両」の海外への輸出をもくろんでいる。南米やロシアがターゲットとみられるが、中国の動きに対し、日本やフランスなど技術供与国が反発している。

 語彙選択がなかなか挑発的で,明らかに皮肉を込めようとしているのが見受けられるのですが,過去に「外国の技術に改良を加えたものを国産技術だとアピール」していた人たちがどこかに居て,西洋の「先進国」から散々に言われたことがあったように記憶しているのですが,産経の記者はそれを踏まえるようなことはしてくれないのですね。
 coffeeも「支那人がどのような連中であるかを学習していれば、こうなることは予め予測できたはずだ。」と書いていますが,問題はそこではないのです。学ぶべき過去の事例を間違えています(中華人民共和国ではなく,過去の「どこかの国」である)。


 産経の記事では「先進国の技術を取り入れ、国産というのはいかがなものか」(日本の商社関係者)という批判の声があげられています。またcoffeeも「つまり、日本の技術がベースになっていても、支那が「自主開発した」と言い張れば、それは支那の独自技術になるということだ。」と批判的に述べていますが,こんな事例,加藤周一をして「雑種性の文化」と言わしめた日本に目を向ければいくつも見つけることが可能でしょう。
 有名なところでは,時に「日本文化の優等生」とまで言われる「日本製マンガ・アニメ」は,ディズニーが元になっていてその発展型でしかないと大塚英志に言われています。そうなれば「日本製マンガ・アニメ」は,少なくとも表現技術の面では,coffeeの表現を借りれば「つまり、アメリカの技術がベースになっていても、日本が「自主開発した」と言い張れば、それは日本の独自技術になるということだ」という程度のものでしかないことになります*1。
 確かに「日本製マンガ・アニメ」は日本人の思考あってのものかも知れない,しかし,そのベースはアメリカの域を出ていないのであり,今回のcoffeeの論法が罷り通るのなら,「日本製マンガ・アニメ」は今回の中共が受けるのと同じような批判を(日本人から)浴びて然るべきことになってしまいます。

 しかしながら,これについては評価が非常に難しいのも確かなことです。ベースが外国の技術であることは否めない(中華人民共和国の報道官も「時速200キロ級の技術を導入し、300〜350キロ級を自主開発した」としか言えない)訳で,それを「自主開発」と言っていることに違和感を覚えるのは致し方ないかも知れません。それでも「完全自主開発」とは言わないところに多少の良心があるのでしょうか。それなのに「西側技術の窃取など存在しない」とも言っている訳で,これは「窃取」ではないとしてもベースにしていることは事実なので,どうかとは思いますね。

 しかしまあ,日本にしてもおフランスにしても,中共にしてやられたので歯ぎしりしているとしか言い様がないですね。特に日本は,以前自分たちがやっていたことを他国にやられる立場になったという,以前とは立場が変わっているという事に留意した方が良いでしょう。
 それにしても,技術移転した先がその技術を独自発展させないと,どうやったら思い込めるのでしょうか。中共の技術力をそこまで侮っていたという事だとすると,あまりにもお粗末ですし,そのような発想は出てこないという事だとすると,過去の自分たちを見てみろということですし,結局何を根拠にこれが再流出することはないと思っていたのでしょうかね*2。

 しかし,coffeeがこのように書いているのは,日本企業にとっては結構耳の痛い話でしょう。
川崎重工業やJR東日本などは、目先の欲に目が眩み、支那に日本の国家的知的財産を供与したことになる。

日本企業が新幹線を海外に売り込んで走らせるということは、もう二度とないかもしれない。

 これつまりは,中共が日本と同じ技術を以て市場に乗り出してきたら終わりと言っているのと同じですね。売り込みの能力に関しては日本企業は中共に全く劣っているという事でしょうかね。まあ実際,産経の記事に載せられている輸出先だけでもロシア、ブラジル、アメリカ、ベトナム、イギリスがありますから,日本の交渉力の低さが見せつけられているような気はしますね。



 この記事の中で,私が最も嫌だなあと考えるのは,産経の記事の最後の部分(2/2)の一段落。
 鉄道網の整備によって、内陸部から資源を沿岸部に輸送する能力が飛躍的に高まる。ウイグル、チベット両自治区にも高速鉄道網の計画がある。少数民族による大規模な暴動が発生した場合を想定し、部隊や軍物資の迅速な輸送に利用する狙いもあるとみられる。

 まあ,そもそも「少数民族による大規模な暴動」は中共側からの視点でしかなく,大規模な活動は少数民族側の視点で見れば,「独立戦争の始まり」となる可能性のあるものです。これに中共が部隊を送り込むというのは,本来弾圧以外の何物でもないというところに踏み込んで頂きたかったですね。

 私の視点では,「多民族国家 中国」は既に破綻しているものでしかないのですが*3,観念上の破綻を実際に波及させない為に,中共の部隊が高速鉄道に乗って少数民族の居住地区へ派遣されるのなら,そのような高速鉄道は願い下げた方が良いでしょう。こうなると「恩恵」ではなく「押しつけ」の類でしかありませんから(そもそもチベット自治区の最高責任者が漢族であること自体問題ですがね)。
 それとcoffeeの記事に上がっている,高速鉄道「四縦四横」の図は,非常に参考になると思います(ウイグル、チベットが入っていない時点のものなので,中共が「中国」をどのように捉えているかがよく分かるものになっている)。



 まあ,過去の「どこかの国」の二番煎じのような中共の技術輸出に噛み付いている暇があったら,その輸出される技術のベースを送り込んだ片割れとして,その技術によって更なる脅威がもたらされようとしている,昨年あれだけ騒ぎまくった,チベットに関連するこのような話についてもしっかりとやってもらいたいものなのですがね(それとも「完全なる反中共」でなくなったダライ・ラマにはもう興味ないのか)*4。で,今回のダライ・ラマ訪日で彼と会う予定の日本の(特に)政治家はどのくらい居るのでしょうかね(会わなくても良い,何らかの接触くらいしてみてはどうか,特にあの時「フリー・チベット」を前面に押し立てて色々言っていた人たちは)。


 この記事を書きながら,ROC(Race of Champions:アジアで初開催)の生中継を見ていたのですが,あの「鳥の巣」に造られた特設コースで,J.Button, S.VettelやM.Schumacher, D.Coulthardといった過去現在の有名F1パイロットに加え,M.HirvonenやM.GronholmといったWRCの有名選手,DTMやLe Mansで有名な選手等々,様々なカテゴリーの王者たちがレースを繰り広げたのです。
 こういうのは,F1やWRCに多量の資本を投入している日本が本来誘致すべきものなのでしょうが,すでに日本にはこういう事が出来るような環境が無くなってきているのかも知れない(Hondaが昨年撤退,Toyotaも撤退決めたし)と思うと,今後も日本から様々なものが流出し,それを中華人民共和国が拾っていくのでしょう(実際には来なかったとは言え,NFLがアジアで行うプレシーズンゲームも,候補地はもはや日本ではなく中華人民共和国である)。
 中共の戦略を批判するだけではなくて,そのような戦略が公然と行われる中でも日本が今後売り込みを成功させる為には,どのような戦略が必要となってくるかという事を,本気で考えないといけなくなっているのでしょう(もう手遅れかも知れないが)。


*1 ただ言っておかなければならないのは,故に「日本製マンガ・アニメ」に価値がないという事ではないこと(そんなことを言おうとは全く思っていない)。つまり,全く「日本独自のもの」ではないけれども,これだけの質のものを描き出している「日本製マンガ・アニメ」は,評価されるべきものであることに変わりない。問題にしたいのは「日本製マンガ・アニメ」が「日本人のみ」の力で作り出せたと考えるような思考である。
*2 つまり,技術は海外移転した時点で「捨てたもの」としなければならないということだ。代価は移転の時点で全額得る必要がある訳だし,その技術の再流出も止められないと覚悟せよということか。
*3 簡単に理由を挙げておくと,1.各民族間の平等が保証されていない(人口でいけば漢族が圧倒的に有利,かと言って各民族を1/56の価値で平等に扱えば,当然漢族に不満が蓄積される)が,それに対しては無策。2.多民族国家の公用語が1つしかないというのは明らかに欺瞞(標準語の押しつけが為されている何よりの証拠:副次的効果として「外国人が言語を学びやすい」というのがあるが,それは標準語を押しつけることを正当化しない)。3.前項に附随して「56民族に56の言語」というのも欺瞞,漢族だけでどれだけ言語を持っているのか分かってないとしか言い様がない(逆に回族のように「独自言語を話す者の集まりではない」民族のことも無視されている)。4.最大の欺瞞は「中華民族」によるnation-stateを標榜していること。そもそもnationの意味を曲解しているので何を言っても無駄なのだが,「それなりの共通性」がないから「民族」を異にしているのに,それを無理矢理括った「中華民族」の概念を未だ保持している上に,「中華民族=漢族」の価値観を中共自身が引きずっているというのは偽善と言うよりも欺瞞でしかない。「矛盾」を抱えていない国家が他に無い訳ではないとは言え,中華人民共和国の民族的な矛盾を粗く拾うだけでも簡単に見つかる例が多すぎる。
*4 もっとも,このような形ででもメディアに情報が流れてくるウイグルやチベットの抑圧については,それなりに理解されているようだが,メディアに情報すら流れてこない抑圧はほとんど注目されることがない。それを注目するような視点も忘れてはならないのだが。



 coffeeは先月Weblogを移転したのですが,私としては少なくともamebloに行かれなくて良かったというところです。中華人民共和国内ではamebloとexblogを見ることが出来ないので,そこに行かれるとおしまいなのですよ(故に自身が過去引用した記事も確認出来ない)。


参考
正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現:支那が新幹線を輸出の動き・独仏加から技術供与された支那新幹線を「自主開発」した「独自技術」と言い張ってブラジル、米国、東南アジアなどに提供・今頃日本や仏は反発しても後の祭り・学習能力なかったJR東日本や川崎重工や奥田碩や扇千景ら
 http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-1502.html

MSN産経ニュース:急ピッチで進む中国の高速鉄道網整備 迅速な軍部隊展開も可能に
 1/2ページ http://sankei.jp.msn.com/world/china/091102/chn0911022036003-n1.htm
 2/2ページ http://sankei.jp.msn.com/world/china/091102/chn0911022036003-n2.htm
MSN産経ニュース:ダライ・ラマ、中国の抑圧政策を強烈に皮肉る
 http://sankei.jp.msn.com/world/china/091031/chn0910311741001-n1.htm

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
>coffeeは先月Weblogを移転したのですが,私としては少なくともamebloに行かれなくて良かったというところです。中華人民共和国内ではamebloとexblogを見ることが出来ないので,そこに行かれるとおしまいなのですよ(故に自身が過去引用した記事も確認出来ない)。

なんだ。
そうだったのか・・・

コーヒー
2009/11/06 03:54
>コーヒー氏

>なんだ。
>そうだったのか・・・

…何が?
Eric Prost
2009/11/11 11:17

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