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zoom RSS 自分たちは本当に蚊帳の外に居るのか

<<   作成日時 : 2009/10/02 14:42   >>

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 外国人犯罪というのは,そもそも内国人にとって奇異の目で見る対象であるところの外国人が犯すものであるという点で,非常にその点が強調されやすいというのが1つの特徴であると言えましょう。
 勿論「全ての外国人が罪を犯す訳ではない」のであり,また「外国人の犯罪数よりも内国人の犯罪数の方が多い」のは当たり前のことです。しかし,内国人の「犯罪」に寛容でない日本人が,また排他的要素を多分に持っている日本人が,外国人の犯罪に寛容であるはずはないので,その視点が内国人よりも厳しいというのは,むしろ当然なのかも知れません。


 近年よく耳に(目に)する1つの考え方として,「外国人=犯罪者」という考え方,特にアジア系や非白人系の外国人は犯罪者予備軍でしかないと考えるようなものがありますが,これに与する人は「割れ窓理論」を信仰しているのかも知れません。超潔癖社会においては,明らかな人種差別の類なのですが,外国人の存在それ自体を「割れ窓」の一種として認識し,排除の対象とすることが可能ですからね。

 外国人犯罪を「外国人のもの」として自分たちと切り離し,自分たちがそれを助長している可能性については考えないという姿勢が,結局の所外国人犯罪の減少には繋がっていないということについて,もうちょっと考えてみた方が良いのではないかと思いますね。


 新しく法務大臣になった千葉景子の話がMSN産経ニュースの記事になっていました。その中で千葉は不法滞在者に関して「日本に寄与して地域の一員になっているみなさんに温かい目を向けていく方向にしていきたい」と述べています。
 これに対してcoffeeのような手合いは当然反発する訳で,Weblogの記事「不法滞在者は犯罪者だ。犯罪者の犯罪を不問に付して暖かい目を向けていくのは狂った世の中だ」と述べ,千葉の姿勢を批判します。

 coffeeの記事を単純に読めば,千葉の言っていることが如何にもおかしいもののように見えてくるのですが,これだけで判断するのは少し待って貰いたいものです。
 「不法滞在者は犯罪者であり悪だ」と言うのは簡単なことですが,それが10年も15年も国内に滞在し続けられるのには,必ず内国人の幇助があります。つまり,不法滞在者を不法に滞在させているのは内国人の仕業の結果であり,その簡単な事実を見ること無しに,追い出してしまえば事が済むのだと考えるのは,どこか思考が欠けていると言わざるを得ません。また,このような状態を放置しておきながら,自分とは関係がないと考えるのも,思考として単純すぎます。
 もっと言うならば,犯罪の原因を探ることなく,それを検挙することのみに全力を注ぐのは,警察と検察の仕事をなぞっているだけでしかなく,法務大臣としては犯罪の原因となるものを減らす方向にも動いて貰いたい訳で,その部分についての考察が欠けています。
 法社会というのは法律の恣意的な運用で為されてはいけないというのは確かなことですが,現行の法律に疑義を呈することなくそのレールに乗っかるだけの法務大臣など,法社会における存在意義はないのであって,議論を深めていく為の問題提起はやってしかるべきなのです。

 勿論千葉の言う「不法滞在者に温かい目を向けていく方向」が単に犯罪を不問に付すという,「信賞必罰」から掛け離れたものでは困る訳ですが,犯罪者を産み出す環境の考察無しにただ罰すれば良いということだけでは,犯罪防止に繋がらないばかりか,内に潜む犯罪の芽が伸びていくのを放置することになってしまうのですから,これからどのような方向性を持ってくれるのか,しっかりと見る必要はあるようです。


 しかしそれにしても,現行の日本の法体系が非常に奇妙なものになっているというのに,また「犯罪」がその奇妙な法律体系の下に構成されるものに過ぎないというのに,更に日本人は「悪法も法なり」には必ずしも全面的に賛成している訳でもないのに,また更には日本人が決して「規律に厳しい」訳でもないのに*,「犯罪」に対して斯くも敏感なのはなぜなのでしょうかね。
 日本人の多くが,社会的正義という,社会を構成する上でその構成員が創りあげていくべき観念に於いてすら,誰かに制定して貰うことに慣れている,逆に言えば自分で決めていこうという気概に欠けている,こういうことかも知れません。

 例えば阿久根の「ブログ市長」,私も好きにはなれないですが,この人のやったことは果たして公職選挙法違反になるのかどうか,またそれを一体誰が決めたのか,実はこれはよく分かっていないのです(辛うじて「誰が」ではなく「どの組織が」だけは分かる)。
 それにも関わらず,ネットニュース上では「法律違反」ということで人格攻撃を受けているようです(またそれを支持する人の方が多い)。そもそも「法律だから」と簡単に言われるのですが,法律が恣意的に運用されている社会で,法律の万能性を未だに信じている人が斯くも多いのかということに驚かざるを得ません。
 誰かがそう言ったからそうなのだということであるならば,そんなものはただの権威社会でしかなく,しかもその権威にも何らかの根拠がある訳ではないのであって,もはや権威社会とも言えない混沌の中に日本社会は陥ってしまっていることになるのですが,果たして日本はそこまで墮ちてしまったのでしょうか。


 因みに,私はこの記事を書いている段階で「外国人」であります。この文章は幾つかの意味で取ることが出来ますが,さてどの意味で取りますか?


* 信号無視しないと言い切れるか,授業をサボったことがないと言い切れるか,その他規律を破ったことがない(もしくは規律を破ったときに自己嫌悪に陥らなかったことがない)と言い切れるか,自分に甘い待遇をしたことはないと言い切れるか(万引や暴走行為の類など論外)。


補足
 左右に関わらず,選挙の結果選出された者の「悪事」(法律違反事由だけでなく,あらゆる「批判されるべき事」のこと)について,その候補に「私は投票していない」という愚にも付かないことを言う人が続出していますが,その候補に投票していようがいまいが,選出された者は全体の意思として選出したことになるのですから,その候補に投票したか否かは何の意味も持たず,言い訳にはなっていないということに,そろそろ気付くべきではないでしょうかね。


参考
MSN産経ニュース:【新閣僚に聞く】千葉景子法相 拉致実行犯の釈放嘆願署名「うかつだったのかな」
 http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090930/stt0909301743009-n1.htm
 http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090930/stt0909301743009-n2.htm
正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現:「不法滞在者に温かい目を向けていく方向に」、「人権擁護法案、実現へ」、「難民、『日本は懐が大きいんだぞ』という方向に」、「死刑は議論があり、慎重に」、「選択的夫婦別姓を可能に」千葉景子法相
 http://blogs.yahoo.co.jp/deliciousicecoffee/41934523.html





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