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zoom RSS 何が「使えない」と分かったのか

<<   作成日時 : 2009/04/07 09:49   >>

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 北朝鮮による人工衛星(と称されたミサイル)発射,その「日本上空の通過」に関しては,それ自体あまり大きな問題を引き起こさなかったようです。むしろ誤探知や誤報が出てきたことで,実際に運用する(とすればその)時の問題が多く出てきたように思います。如何に機材が良くても,ヒューマンエラーの存在を忘れてはいけないということでしょうね。今回起こった問題のほとんどは,ヒューマンエラーによって起こったもので,このヒューマンエラーが単に「慣れない」ことによって起こったのか,それとも単に精神論で乗り越えられるものなのか,それともヒューマンエラーを回復できない構造的な問題を抱えているのか,その検証は為されなければならないでしょうね。


 鳥越俊太郎は月曜日(4/6)の「スーパーモーニング」で,北朝鮮のミサイルであれこれと騒ぐべきではないという趣旨の発言をしましたが,その中で「他の国の衛星も,毎日日本の上空を通過しているのに」というものがありました。
 こういう発言が,反戦・反軍備を主張する者が「不見識」と責められる根拠になるんでしょうね。すでに軌道に乗っている衛星と(例え衛星を軌道に乗せようとしたものであっても)まだ軌道に乗っていないミサイルとをごっちゃにしてしまっています。あとは信頼性の問題,北朝鮮だから信用できないという意見もあるでしょう。様々な問題があり,北朝鮮への強硬姿勢が唯一の答えではないと言いたい気持ちは分かるのですが,やはり衛星とミサイルとを意図的に区別しないことは,問題をすり替えているのであり,的外れなことに変わりないでしょう。問題の本質からは議論が逸れていってしまっています。
 鳥越は問題になっている(されている)ことの内容を分かっていて,対北朝鮮強硬派を茶化したつもりなのかも知れませんが,議論を逸らすのはやはり感心できないでしょう。


 さて,ミサイル迎撃は発動されなかったということで,誤射の問題は起こらなかったのですが,今回よく分かったことは,日本の「防衛システム」はヒューマンエラー耐性が非常に低いという,システムとしては致命的な欠陥です。
 また,これだけヒューマンエラーが重なったのに,それに連なる(筈の)行動(迎撃ミサイル発射とか)は何一つ起こらなかった訳です。これはこれでヒューマンエラーが実害に繋がらなかったので良かったということにもなるのかも知れませんが,次の行動がないということは,情報と行動とが緊密に繋がっていないことを示しているのであり,それはそれで日本の「防衛システム」は本当に大丈夫かという疑問も起こる訳です。



 今回この問題に関して,Weblogをちらちらと見ていて,レベルが低いと感じたのは村野瀬玲奈の秘書課広報室の記事ですが,あえて長めに引用しても,これから導き出される結論は,村野瀬と意見を正反対にする筈のcoffeeが言う「核武装論」になってもおかしくない,また,それにも関わらず,補足説明がされていないというのが問題かと思います。
結局、この日改めてわかったのは次のことでした。

▼ミサイル防衛システム(MDシステム)そのものの使えなさ、無力さ

▼使えないシステムに大金をつぎ込む愚かさ

▼誤報(あるいは虚偽報道)や不手際続出の情けない防衛省

▼防衛省は防衛のために仕事をしているのではなく、自分たちの仕事を防衛するために仕事をしているように見えること

▼今にも戦争が始まるかのようなNHKのものものしい報道ぶりの滑稽さ

野党が一所懸命国会質問で防衛省やミサイル防衛システムの実態を明らかにしようとするよりも、北朝鮮の「協力」があれば、ミサイル防衛システムの不合理さや防衛省の情けない実態は簡単に明らかになるということでしょうか。

 ここから導き出される結論,それはMDなどという役に立たないシステムに大金を注ぎ込むのは愚かだから,そのようなシステムは止めてしまえということになるのでしょうが,ここまでは村野瀬もcoffeeも同じです。
 ただその先が,coffeeの場合「MDは役に立たず、アメリカの核の傘はないのだから、日本は核抑止力の保有(核武装)を急がなければならない」と書かれているのですが,村野瀬の場合は(他の記事を読めばcoffeeと逆の軍縮方面であると推測できるのですが)書かれていないのです。
 書かれていないけれども結論が推測できるということは,村野瀬の文章は「傾向が分からないと正確に読めない」のであり,それは即ち村野瀬の文章が所詮「内向き」に書かれたものでしかないということを示しています。つまり,村野瀬と意見を同じくする者に対してしか話をしていないから,一見2通り以上に読めるものでも,1通りの答えが導き出されるのが当然という絡繰りを含んでいるということなのです。

 そもそもMDシステムが「使えない」ことについて,coffeeは以前から主張していますが,村野瀬は今回それが「改めてわかった」と言いたいようです。しかし今回分かったのは,エムネットや各行政官庁の通報システムが実際に運用された時に発生するヒューマンエラーの多さであり,迎撃作動しなかったMDシステムが実際に「使えない」かどうか,これは結局「改めて」は分からなかったのです(分かったのはシステムが「使えない」かどうか以前の問題の多さ)。


 さて,村野瀬の記事には「北朝鮮のミサイル発射は批判されるべきだし、北朝鮮は発射そのものを自制すべきだということは当然の前提として、また、北朝鮮が軍事行動をとったらどうするかというだけではなく、そこまで北朝鮮を追い込まないための外交的政策を日本も国際社会も優先させるべきだということも当然の前提」とも書かれているのですが,そうしてきたからこそ,北朝鮮は「追い込まれない」と知って傲慢な振る舞いを続けてきたのですけどね。
 これはチキンレースを仕掛けても自分は「崖から落ちないようにしてもらえる」と分かっているという点で,非常にモラルを欠いた,質の悪いものなのです。もう何度となくこの手のチキンレースが繰り返されているというのに,それについてこの期に及んでも何も具体性のあることを言わず,実際に議論しているのは日本の悪口ばかりということでは,村野瀬の信頼性は地に墜ちるとしか言えますまい。

 ハード・パワー頼みの北朝鮮を,軍事方面のハード・パワーを持たずに,経済方面のハード・パワー(経済制裁)を使わずに,売り出し中のソフト・パワーなど何の役にも立たない状態で,日本はどうやって北朝鮮を「交渉のテーブル」に引っ張ってくるのでしょうか。また,手っ取り早く「核武装」などのハード・パワーを手に入れることで北朝鮮を押しつぶそうという考え方を,どうやって批判するのでしょうか。
 理念だけで突っ走る者の危険性がここにはあります。「対案を出せ」論法に反対するのも結構ですが,それは単に理念を振りかざしていれば良いということではありません。「脱ナショナリズム」も結構ですが,それだけでは,自国のことしか考えない「ナショナリズム」全開の他国に対抗する言説としてはやはり不十分で,如何にしてその「ナショナリズム」全開を「脱ナショナリズム」の方向へ転換させるかを考えていく必要があるのですが,それは今のところ放られています(核武装論者は,核武装がその手段の1つだと考えているようです。勿論自らの「ナショナリズム」全開は棚上げですが)。



 今回の問題に関して,coffeeと村野瀬を比べれば,私の主張の方向性は村野瀬の方に近く,coffeeの主張には納得できない点が多いと考えます。
 coffeeの言の通りMDが役に立たないとしても,アメリカの核の傘に入れてもらえないとしても,それで日本が核武装すべきというのは「手っ取り早い」のが明らかで,短絡でしかありません。さらに今回のようなヒューマンエラーを多数引き起こしてくれるようなことがあれば,核武装などさせたらヒューマンエラーでどこへでも核兵器を飛ばされる危険性が出てくる訳で,coffeeの主張の実現にはまだ現実味が足りないと言わざるを得ません。
 では村野瀬はどうかと言えば,一見色々な議論を受け入れる姿勢を見せているように思わせておきながら,結局は自分と意見を同じくする者と「仲良しコミュニティ」を作ることに腐心しているという点で,信頼性がないという問題を抱えています。
 まあ結局どちらとも「実のある」話ができる気はしませんね(coffeeはトラックバックを張ると,コピペしてでも何かと言ってくることがある分,物言いの付け甲斐はあるのかも知れませんが)。



参考
・村野瀬玲奈の秘書課広報室:防衛省の情けない姿 (北朝鮮「人工衛星ミサイル」への対応で)
 http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-1177.html
・正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現:衛星成功は嘘・実際は着水・北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)発表・北の「人工衛星」軌道に乗らず全て着水・弾道ミサイル「テポドン2号」の発射実験も失敗の可能性高い・「嫌がらせ増えないか」不安訴える在日
 http://blogs.yahoo.co.jp/deliciousicecoffee/39737929.html

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
MDは役に立たず、アメリカの核の傘はないのだから、日本は核抑止力の保有(核武装)を急がなければならない
deliciousicecoffee
2009/04/08 03:03
>coffee氏
 その文言は記事中にそのまま引用させて貰っています。ただ,これは以前から主張していることで,今回「改めて」分かったことでもないと思いますが。
Eric Prost
2009/04/08 22:26

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