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zoom RSS 「問題だ」と言い続ければ「問題」になる

<<   作成日時 : 2007/07/30 02:17   >>

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 大阪学芸高校で、延べ合格者数として表示した人数のうち、73人分を1人で稼いでいたということが、「大学合格実績水増し問題」として話題になっている。
 ここ1週間テレビやラジオでも話題になっていたが、一体何が問題なのかということを誰も掴み切れていないようで、的外れな批判が相次ぐこととなっている。

 「進学したかどうか分からない」などという批判もあったが、それを言い出すと、大阪学芸高校以外の「合格者数」もそうなのであって、大阪学芸高校だけのことではなくなるし、何故それが問題となっているのかが不明になる。そもそも進学したかどうかを問題にするのが的外れである。

 「1人で73も受験するのが問題だ」と言う訳だが、73学部・学科に出願できるのだからしょうがない。学校が受験料を負担したのだから、本人からしてみれば、懐も痛まないし、センター試験利用だから改めて試験を受けに行くこともないのだから、出願するだろう。センター試験利用、独自試験なしという形式の増加により、出願先が増えるのは当たり前なのだ。私立大学側もそれを利用して受験料稼ぎに躍起になっているのだから、大阪学芸高校だけに責任をかぶせるべきではない。
 橋下徹が28日のTV番組で「これだけ受験できるようになると、合格者数は当てにならない」と言っていたが、まさにその通りである。合格者数が延べ人数でなくても、実際の進学者数は分からないように表示されているのが普通なのだから、延べ人数を挙げる所など推して知るべしである。

 「以前は1人がせいぜい5〜6学部・学科しか併願できなかったから、延べ人数でも大した重複が出ず、問題とはならなかった」という意見もあるが、「延べ人数を取ること」が問題ではなく、「1人で10も20も合格していること」が問題だと思っているのだとしたら、これも的外れである。
 そのような数の問題から入るようでは、幾つまでなら重複計算しても良いのだという疑問が出てくることになるから、そのような基準がないのに「水増し」は言い過ぎであり、何が問題なのか分からないのに問題だと言われているから問題だいうことでしかないのではないか。

 学校の実績作りに生徒を利用したという批判もあろう。しかし、それは「受験の合格実績を稼ごう」と考えた時点でそうなるのであって、それくらいはどこの学校でもやりそうなことだ。それ自体を問題視するのであれば、私立学校は身動きが取れなくなる。当の生徒にとっては迷惑な話であったろうが、単なる「名義貸し状態」であったとすれば、

 受験料を学校が負担したことが問題だという意見もあろうが、それは「水増し問題」ではない。公平性の観点から問題だという切り口もあるだろうが、それなら特待生(野球で問題になったものとは別)も問題にするべきだろうから、やはり「いちゃもん」の類に過ぎないだろう。


 新聞やインターネットを見ると、大阪学芸高校の場合、33人で関関同立の144学部・学科に合格した実績があると言うことだ。「1人で73人分」を除くと「32人で71人分」となるが、2つ以上の大学で合格していれば、何の問題もない数字となる。
 しかし、大阪学芸高校の校長が「センター試験利用の受験を1人30学部・学科までに制限します」と抜かしたのは問題外の応答だ。生徒側が「受験したい」といった場合にでも、学校は制限をかけると言っているに過ぎず、何が問題になっているのかを把握していない証拠だ。「学校が受験料を負担してまで、(無理やりに)受けさせるのを止めます」だとか、「大学合格実績を延べ人数にするのを止めます」だとか言わなければならないのではないのか。そもそも受験自体は生徒の自由であって、学校がさせたり止めさせたりするものではない。受験料負担も、それをエサに受験をお願いするものであって、学校が負担するから受験させるという考え方を持っているとすれば、学校による過剰な生徒管理と言われても仕方ない。
 …こうやって見てみると、大阪学芸高校に問題がないと言い切るのにはためらいがあるな。

 そのような中、大阪学芸高校の所在する大阪府が「景品表示法違反(不当表示)の疑いがある」として調査を始めようとしている。何とも暇人な話である。財政的に厳しいと言われている大阪府だが、意外なことにそんな暇はあるようだ。
 「中学生側を教育サービスを購入する消費者と見なせば、水増しした合格実績を掲載することが問題となる」と言うのだが、「教育サービス」が何を指しているのかがそもそも明らかでない以上、違法性を勘案しようということ自体に無理があるのではないか。
 さらに「ある大学に何人合格しているか」と「ある受験生がその大学に合格できるか否か」との間に因果関係がなければ、「誤認」ということ自体成り立たないのである。さて因果関係はあるのかと言えば、言うまでもなく、因果関係など無い。
 それに、延べ人数とはいえ、数字自体に水増しがされていない場合、不当表示と言い切ることができるのか否か、何の考えもなく「疑いがある」と公表できる無神経さには恐れ入るほかない。
 まあそもそも、公立高校の教育が「教育サービス」として成立しているかどうか怪しい(受験生の大半が塾や予備校に通わなければならないとはどういう事だ?)大阪府だから、私学の合格実績にケチを付けることに躍起になるのかも知れない。

 違法性云々の前に、まずは合格実績の表示ルールを決めるべきであろう。インターネット上で大学合格実績を見てみると、延べ人数なのか1学部・学科以上に合格した生徒の数なのか実際進学した生徒の数なのか分かるように公表している所などそうそう無い。わかりにくさではどこも似たり寄ったりで、大阪学芸高校のケースが何故問題になったのか分かりにくいのである。まあ、内部告発か何かで実態をリークしたから「問題」となったと考えるのが自然だろうが、まずは何を問題とするのかを規定してから分析を加えないと、これから明らかになってくるケース全てが「問題」と捉えられかねない。
 今回は、数字自体に虚偽がない限り、以前の「未履修問題」とは性質が違うのだということを理解してかからなければ、我々は「また」メディアや行政に踊らされ、「弱いものいじめ」に精を出す愚行を繰り返すことになるのだ。

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